世界の子どもを支援する国際NGO「ワールド・ビジョン・ジャパン」(WVJ、東京都中野区)は、7月30日の人身取引反対世界デーに先立ち、中高生向けの国際協力プログラムを、同23日に表参道のウェスレーセンター(東京都港区)で開催する。このプログラムは、世界、特にアジア地域に集中するといわれる人身取引(人身売買)の問題について、次世代を担う中高生に広く知ってもらい、問題解決のために行動を起こしてもらうことを目指すもので、現在、参加者を募集している。
労働や売春などを目的に、強制的に弱い立場の人々の自由を奪い、搾取する人身取引は、「現代の奴隷制」とも呼ばれている。被害者は世界で約1090万人と推定され、そのおよそ半分がアジア地域に集中するという。
米国務省が例年6〜7月に発表する人身売買報告書の2015年版では、外国人技能実習制度をめぐる強制労働の実態や、女子高生らを使った「JKビジネス」を例に、日本も問題を指摘されている。
この国際協力プログラムは、グローバル化が進む現代を生きる日本の子どもたちの目を世界に向け、子どもたちが世界の諸問題について学び、問題解決のために自ら行動していくことを目指す「ワールド・ビジョン ユースプログラム」の別称で、全6回シリーズの体験型ワークショップとなっている。23日はその3回目となり、6回目の終了後には、アジアのユースグループと一緒に活動することも視野に入れているという。
当日は、国連機関勤務を経てWVJに入り、5年以上にわたってカンボジアに駐在し、カンボジア、タイ、ベトナムなどのメコン地域の人身取引問題に取り組んできたスタッフの池内千草さんも参加し、実体験に基づくストーリーや現場の課題などを報告する。参加者たちは、クイズやロールプレイ、メッセージビデオの作成などを通して学びを深める。
■ 中高生向け国際協力プログラム
日時:7月23日(土)午前10時から午後4時
会場:ウェスレーセンター(東京都港区南青山6−10−11、最寄り駅:東京メトロ表参道駅)
対象:中学生、高校生
定員:60人(定員になり次第、締め切り)
参加費: 無料
申込締切:7月19日(火)
詳細・申し込みは、こちら。