沖縄キリスト教学院は15日、沖縄県うるま市で起きた米軍属の男による女性暴行殺人事件に抗議する声明を、同学院理事長の神山繁實(しげみ)氏、同大・短期大学長の友利廣(ひろし)氏、沖縄キリスト教平和研究所所長の大城実氏らの連名で発表した。
声明では冒頭、米軍基地内で沖縄をさげすむ部隊内研修が行われている実態があると指摘し、軍律に基づく行動規範の弛緩(しかん)が、これまでにも数多くの犯罪を引き起こしてきたと主張。その上で、「そもそもの沖縄の悲劇が、人権に頓着しない駐留米軍を沖縄に押し付け、少数者の犠牲の上に安住するこの国の国民の品性と、沖縄を“地政学的要衝地”と見立て、その虚構に固執する政府の姿勢に根源的原因がある」と強調した。
さらに、憲法で定められている基本的人権からも、沖縄は蚊帳の外に捨て置かれている現実があるとし、「これら全てが超法規的とも言える日米地位協定を容認し、主権国家の矜持(きょうじ)を放棄する日本政府に最大の責任がある」と非難した。
そして、「沖縄に住む全ての人々が党派の思惑を越えて一致団結することこそ、沖縄の置かれている不条理に立ち向かう賢明な選択であり行為」だとし、同学院が、イエス・キリストの教えに基づいた平和の希求と隣人愛を建学の精神に掲げていることを証しした上で、「今こそ思いの丈を駐留米軍と日米両政府に突き付けるときです」と訴えた。
また最後には、事件を受けて行われる19日の県民大会への参加を、学生、教職員に呼び掛けた。