名鉄病院(名古屋市西区)で先月、肺炎のために入院した男児(1)の治療で、本来は精製水を入れるべき加湿器に、誤って消毒液を入るミスがあった。男児は既に退院しており、これまでのところ健康被害は確認されていないが、名鉄病院は医療ミスとして認め、家族に謝罪した。毎日新聞などが伝えた。
同紙によると、男児は先月24日夜、肺炎のため入院。ビニール製の酸素テントでベッドを覆う形で治療が行われ、酸素テント内には加湿器が設置されたが、20代の女性看護師が精製水と誤って、消毒液約40ミリリットルを加湿器に入れたという。精製水と消毒液は同じ棚にあり、外見が似ており、看護師はボトルの表示を十分に確認していなかったという。
さらに、中日新聞によると、その後の加湿器への注水も行われず、酸素テントでの治療が終了した27日にミスに気付いたという。名鉄病院はその後、再現実験を行い、加湿器から消毒液が約3時間出ていたとみられることを確認し、現在、消毒液のメーカーに健康への影響を確認しているという。消毒液は薄めて手洗いなどに使用するタイプのもので、日本テレビによると、精製水に比べて粘り気があるため、約3時間ほどで加湿器が停止したとみられているという。
男児の家族には、発覚した27日にミスがあったことを説明し謝罪。男児は今月2日に退院したが、細井延行院長らが3日にあらためて謝罪し、今後も消毒液の影響の有無を通院で確認するという。
名鉄病院はホームページ上でこの医療ミスについて報告しており、「今後、このようなことが二度と起こらないよう、職員一丸となって再発防止に努めてまいります。皆様には、多大なご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」としている。