アオテアロワ・ニュージーランドおよびポリネシアの聖公会は、太平洋諸島における将来の自然災害に対する対応を強化するための「明確な強靭戦略」を確立する。アングリカン・コミュニオン・ニュース・サービス(ACNS)が11日に報じた。
この動きは、同管区の総会で採択されたもので、海面上昇の結果、五つの太平洋諸島がすでに完全に消失し、さらに六つが「海岸線の深刻な後退」を経験しつつあると研究者たちが発表したのを受けて出されたもの。
インターネット上の『エンバイロンメンタル・リサーチ・レターズ』誌に掲載された記事で、科学者たちは、33の太平洋諸島を1947年から2014年にかけて撮影した空撮および衛星写真が示すところでは、「五つの生育した珊瑚礁の島々・・・がこの期間にわたって消失し、さらに六つの島々が海岸線の深刻な後退を経験しつつある」と述べている。
これらの科学者たちが言うには、少なくとも1935年から存在していた二つの村々が破壊されたという。「海岸線の後退の割合は、高波のエネルギーにさらされている地域で実質的により高いものとなっており、海面上昇と波の相乗作用を示唆している。海岸浸食に対する島々の影響の受けやすさを増大させるこれらの地域的な要素を理解することは、これらの遠隔地にある太平洋の社会のための適応策を勧める上で極めて重要である」
今週、ポリネシア教区のフェイロアキタウ・カホ・テヴィ(フェイ・テヴィ)氏による提議で、同管区の総会は、太平洋地域における自然災害に対する対応を強化するための戦略を考案することを決議した。これには、他の救援機関との連携や「教会共同体の訓練士たち」の幹部を組織し、教区の青年会に防災について教えることが含まれている。
フェイ・テヴィ氏が描いたイメージは科学者たちよりも深刻な内容で、昨年12月にパリで行われた気候変動会議以来、七つの太平洋の島々が失われてしまったと、総会で語った。「私は、この総会の議員や家族と私が生き抜いたサイクロン・ウィンストンやサイクロン・パムについて皆さんにお話ししたいのです」と彼は語った。「皆さんが電車の駅のプラットフォームで、プラットフォームの端より少し後ろへ下がったところにいると想像してください。そして列車が時速250キロで駅を走り抜けるのです」
「その風の力を、通り過ぎていくその力を想像してみてください。皆さんに対するその電車の音が、サイクロン・パムが生み出したような音なのです。ただしその風は、時速341キロに達しましたが。ありがたいことに、それはたったの6分の風でしたが、もしそれが10分だったらもっと多くの命が失われていたことでしょう」
フェイ・テヴィ氏は同総会に対し、災害への対応にはもっと戦略的で考え抜かれた手法が必要だと語り、善意による助けの申し出がいつも有効な助けとなるとは限らないと述べた。「災害が起きるとき、人々は同情して行動を起こし、古着を送ったり、電気のない場所に台所の電気製品を送ったりします。彼らはハイヒールを送ったりしますが、受け取る人たちはそれらに関心のない人たちだったりするのです」
「バヌアツとフィジーにおけるこれらの災害の後、使用期限を過ぎた食べ物が来たことがありました。これらの贈り物は埠頭の上でコンテナに入ったままになっていて、それらをどうしたらいいのかよく分かりません。必要な幾らかのお金を得るために、その衣類を売らなくてはならないときもあるのです」
一方で、大きな助けとなった対応もある。2011年の地震で185人が死亡したとき、災害を過去に経験した都市、クライストチャーチの司祭は、「建築材や中古工具がいっぱい入った」コンテナを送ったと、フェイ・テヴィ氏は語った。「その一つのコンテナで、私たちは七つの教会や幾つかの牧師館をも建て直すことができたのです」
「おそらく私たちは教会として、かつての同情から、行動の協力関係へと移る必要があるのでしょう」と、同氏は述べた。