太平洋教会協議会(PCC)は16日、大型サイクロン「パム」で被災した国々への人道支援を行うよう加盟教会に呼び掛けたと、フェイスブックで発表した。
PCC総幹事のフランソワ・ピーアータイ牧師によると、サイクロンにより甚大な被害を受けた太平洋のバヌアツやソロモン諸島、キリバス、ツバルの人々が必死に助けを求めているという。
「一部のケースでは、何もかも失ってしまった人たちもいる」とピーアータイ牧師。「食料や衣料、医薬品、水がすぐにも必要なようだ。その後は家屋を立て直すのを助ける必要が出てくるので、できる限りの支援を行うよう、加盟教会に連絡を取っている」と言う。
PCCによると、募金は被災した各国の教会協議会を通じて行うことができるという。
ピーアータイ牧師はまた、赤十字やフィジーにあるECREA(研究・教育と提言のためのエキュメニカルセンター)にも支援を行うよう呼び掛けた。募金のための銀行口座についての詳細は間もなく得られる予定だという。
カナダ・ナザレン教団の英文ニュース「ナザレン・コミュニケーションズ・ネットワーク」は13日、サイクロン「パム」によってバヌアツの島々が壊滅状態となり、地元のナザレン教会員も被災したと伝えるとともに、被災者支援のために、米国とカナダのナザレン教団を通じての献金を呼び掛けた。
また、アオテアロア・ニュージーランド長老教会のグローバル・ミッションオフィサーであるフィル・キング牧師は14日、同教会の公式サイトに掲載されたバヌアツのサイクロン被災に関する牧会メッセージの中で、教会員に対し、バヌアツのために、またニュージーランドで働いているバヌアツ出身の季節労働者に対する牧会ケアのために祈るよう求めた。
一方、バヌアツ長老教会やツバル・キリスト教会、キリバス・プロテスタント教会、またエキュメニカルな国際緊急支援組織「ACTアライアンス」などのウェブサイトには、今のところこのサイクロンに関する情報は出ていない。
キリスト教国際NGOのワールド・ビジョンはバヌアツへの緊急援助を開始し、ワールド・ビジョン・ジャパンも、「サイクロン『パム』が直撃したバヌアツに支援を届けています」として、16日、緊急援助募金を随時受け付けていると公式サイトで発表した。また、英国のカトリック海外開発機関(CAFOD)や、カトリックの国際援助団体「カリタス・インターナショナル」も、バヌアツの人々への支援のために寄付を呼び掛けている。
国連児童基金(ユニセフ)は、バヌアツで6万人の子どもたちが被災したとして支援活動を開始し、日本ユニセフ協会が募金を開始したほか、その他の一部の国連機関も支援に乗り出している。また、日本を含む一部の国々の政府も支援を申し出ている。
その他、オックスファム、セーブ・ザ・チルドレンといった国際NGOや、オーストラリア赤十字も、バヌアツへの緊急支援のための募金活動を行っているという。