太平洋教会協議会(PCC)は8日、同事務局のフェイスブックページで、先週末に洪水に見舞われた南太平洋の島国・ソロモン諸島の社会を助けるよう、太平洋地域全体の諸教会に呼び掛けている。
PCC総幹事のフランソワ・ピハーテ牧師は、信仰や国籍にかかわりなく、困っている全ての人たちに手を差し伸べる義務がクリスチャンにはあるとして、迅速な支援協力を呼び掛けている。「今年の初めに、サイクロン『イアン』による惨害の後、私たちはトンガにいる兄弟姉妹たちを助けるよう求められた」とピハーテ牧師。「今や私たちはできることなら何でもしてソロモン諸島の社会を助けなければならない」と言う。
ピハーテ牧師は、自然災害が、困っている人たちに同情し、慰め、強めるための省察や機会のための時間をもたらしてくれたと言う。「この洪水によって被害を受けた社会、財産や愛する人たちを失ってしまった人たちのために祈りましょう」と祈りを呼び掛ける。
また、「しかし同時に、救援活動の助けになることを与えるとともに、そうすることで私たちが知ることさえない人たちの生活において、神の奇跡を起こす手となりましょう」と語る。
PCCによると、先週末、ガダルカナルの主な島で、鉄砲水が経済基盤や家を破壊した後、少なくとも16人が死亡し、何千人もの人々が家を失ったという。一方、国連は7日、この洪水で少なくとも23人が死亡したとしている。
国連や国際赤十字など一部の救援機関やオーストラリアなど外国の政府は、ソロモン諸島に対する支援を表明した。
ピハーテ牧師は、救援活動の助けになりたいと考える太平洋地域全体の諸教会は、ソロモン諸島の政府当局か、または自らの関連教会と直接連携をとるよう奨めている。
「私たちはまた、太平洋諸国の各政府やNGO、そして地域的な政府間組織に対し、ソロモン諸島を助けるためにできるだけ早く実際的な措置をとることも呼び掛ける」と同牧師は述べた。
なお、日本ユニセフ協会は7日午後6時、「ソロモン諸島、過去最悪の洪水発生 3日間の集中豪雨で4万9000人が避難」と発表し、ガダルカナル島にある同国の首都ホニアラでは5人に1人が避難したと伝えた。
また、ワールド・ビジョン・ニュージーランドは4日、「洪水がホニアラを襲い、地域社会がサイクロンに備える」という見出しの英文記事を掲載。熱帯の嵐によって引き起こされた連日の雨で、道路が封鎖され、ホニアラの大部分が洪水に見舞われたほか、橋が通行不能となったり、流されたり、電気が断続しているなどと伝えた。
その上で同団体は、すでにソロモン諸島で支援プログラムを持っており、同国政府とともに活動して洪水の被害を受けた地域社会を支援しているという。また、被災者支援のための募金をオンラインで呼び掛けている。