日本国際飢餓対策機構は、同機構のチャイルド・サポーター・プログラム、世界里親会を通して、バングラデシュ西部のマチュパラ地区への支援を開始した。同地域では過去3年間、別の援助団体が地域開発に関わってきたが、国際飢餓対策機構(以下FH)バングラデシュが活動を引き継ぐことになった。
FHバングラデシュの調査によると、同地域には、特に貧困家庭の子どもたちへの教育に焦点を当てた地域開発の必要がある。住民の生活圏内に小中高校はあるものの、就学率が非常に低く、小学校に入学した生徒のうち20%が中学校進学前に退学している。
両親が教育の重要性を理解していないことや、厳しい家計を補うために子どもたちを学校よりも働きに出していることが大きく影響している。また、「女子は男子よりも価値が低い(ない)」という誤解が根強いため、女子の就学率は特に低くなっている。FHバングラデシュでは、支援を受ける里子たちの出席率をチェックし、就学を阻む問題の解決に取り組んでいく考えだ。
保護者に対しては、前任の支援団体が始めていた貯蓄グループや識字教育を引き続き行う。同地域の成人識字率は36%で、そのうち女性は20%と極端に低い。識字教育を進めることで、貯蓄グループから得た知識を活かせるようになる。職業訓練や小規模の商売を始めることを促し、収入改善を目指していく。
また健康や衛生に関する知識が不足しているために、下痢や腸チフスなどの感染症を患う人が多い。住民に正しい知識を広めることで、昔ながらのまじない療法やにせ医者に騙されることを防止していく。
子どもたちの教育や生活環境の改善と同時に、保護者や地域の大人が良いお手本を示すことで真のリーダーが成長することを期待し、地域の自立を目指していく。
日本国際飢餓対策機構は、この地区の子どもたち200人のチャイルドサポーターを募集している。サポーターには、子どもたちの成長記録や手紙が届けられるほか、子どもに手紙を送ることもできる。
支援は子ども一人につき、毎月4千円。申し込みは、日本国際飢餓対策機構のホームページまで。