サイクロンによる深刻な被害を受けたバングラデシュ南部のボルグナ、ポトアカリ、ボリシャルでは、多くの住民が家や家畜を失い、いまも明日を生きる食料もない厳しい避難生活を送っている。
キリスト教国際救援団体グッドネーバーズは23日から現地入りし、食料や飲料水、薬などを配給する第1次的な緊急支援活動を行っている。調査チームの報告によると、被災地域は通信が途絶えており、ほとんどの建物が倒壊している模様。食料支援、飲料水の確保、衣服の支援、医療支援、シェルター、トイレ建設の支援、作物の種と肥料の提供などが緊急に必要な状態だ。
「被災者にいま、最も必要なものは、その日を生きるための食料です」と調査スタッフは語る。現地の住民はこれまで日当の収入に頼って日々の生活を送っていたため、その日を生きる食料もない人々が後を絶たない。農作物の種を畑にまいても、収穫するまでに最低でも2カ月はかかる。その間の被災者への定期的な食料支援が必要だ。
また、被災地はこれから冬を迎える。バングラデシュの気候は亜熱帯気候で一年を通して大きな気候の変化はないが、それでも冬の朝は気温が10度まで下がることもある。現状では冷たい風を凌ぐ家はおろか服や毛布も不足しており、本格的な冬の到来を前に、十分な衣服やシェルターの確保が急がれている。