日本ラクロス協会(東京都中央区)の専務理事の男性(48)が、運営費約1000万円を横領したとして、先月2日付で懲戒解雇されていたという。任意団体から一般法人へ移行するための外部監査で発覚した。毎日新聞が5日、伝えた。
同紙によると、専務理事だった男性は2014年4月〜15年11月、日本ラクロス協会の運営費約1000万円を個人名義の銀行口座に移して、横領したという。男性は今年1月、横領を認め、着服した金を生活費に使ったと話しており、既に全額を返済している。
男性は、日本ラクロス協会設立当時からの中心スタッフで、日本のラクロス界では「普及の立役者」として知られているという。本部事務局長も兼務するなど、日本ラクロス協会の経理事務の全権を実質的に1人で掌握していた。日本ラクロス協会は今回の不正を受け、専務理事職を廃止し、今年度内の一般法人化に向け、会計の在り方を抜本的に見直しているという。
男性は、日本ラクロス協会に宛て、「今回の行為は一生かかっても償いきれない。誠に申し訳ない」などと謝罪する文書を送っている。日本ラクロス協会の木村博理事長も、先月2日付で引責辞任したという。
今回の報道を受け、日本ラクロス協会は5日、公式サイトに「ラクロスを応援いただいている皆様へのお知らせ」を掲載。「誠に遺憾ではありますが、前事務局長による横領が発覚いたしました。弊会は、外部専門家とともに、前事務局長を即刻職務停止とし懲戒解任処分を行う一方で横領金を回収、本件の責任を取って理事長は辞任致しました。また、4月の会員総会での情報開示等にも対応して参りました」と説明。「弊会は、今後も一層のガバナンス強化を行い、公正・透明なスポーツ団体として更なる組織の発展を目指し、国内、ひいてはアジアにおけるスポーツの発展に向け、邁進(まいしん)していく所存です」としている。