名古屋市東区の「矢田学区連絡協議会」の口座から現金計88万円を着服したとして、愛知県警東署は4日、行方が分からなくなっていた元名古屋市議の無職・西村健二容疑者(57)を逮捕した。西村容疑者は「着服はしていない」と容疑を否認しているという。中日新聞などが伝えた。
同紙によると、西村容疑者は、矢田学区連絡協議会の会長を務めていた2012年4月23日〜5月11日ごろ、同協議会の口座から3回にわたり計88万円を引き出し、着服した疑いが持たれている。さらに、西村容疑者が同協議会の会長職にあった07年4月〜12月6日、同協議会では約800万円の使途不明金があったとみられており、東署は余罪を調べる方針。
読売新聞や産経新聞によると、西村容疑者は07年4月〜14年6月に同協議会の会長を務めており、14年6月に現会長と交代した際、使途不明金が発覚。現会長が14年9月に刑事告訴していた。しかし、その4カ月後の15年1月から西村容疑者は所在が分からなくなっており、東署が行方を追っていた。
西村容疑者は1994年、名古屋市議補選(東区)で初当選。その後、4期12年半にわたって名古屋市議を務め、自民党県連副会長や自民党市議団団長などを歴任。政務調査費の運用について問題を指摘され、2007年の市議選では無所属で立候補したが落選していた。
学区連絡協議会は、学区内の町内会や子ども会、消防団などで構成され、町内会費や名古屋市からの補助金などで運営されているという。中日新聞によると、矢田学区連絡協議会の使途不明金約800万円には、東日本大震災の義援金名目で集められた金も含まれているという。