【CJC=東京】AFP通信によると、中国東北部・黒竜江省のハルビンで1日、60年ぶりに同国本土で正式に叙任された中国正教会の聖職者が復活大祭の式典を執り行った。
ハルビン聖母守護教堂のアレクサンドル・遇石・輔祭は、地元の信者たちに囲まれ、教会スラブ語と北京語で祈りをささげ、「喜ばしい日だ。主の復活を祝おう」「ハルビンの東方正教会にとっても復活の日だ」と語った。
ハルビンには正教会信者のコミュニティーが小規模ながら存在する。高齢化の著しい信者たちの多くは、ハルビンが国際都市として栄えた100年前に国際結婚した中国人とロシア人の子孫。
遇輔祭は元銀行支店長。祖父母は仏教徒。1990年代にモスクワにビジネス留学した際に改宗した。その後サンクトペテルブルクの神学校で学んだが、無神論を公然と掲げる中国共産党の援助により正教会神学校に入学した中国人は、遇輔祭が初めて。
中国正教会は1980年代に式典を再開したが、叙任聖職者は不在のままで、2000年に高齢の司祭が死去して以降は式典を執行する聖職者が不在の状態が続いていた。