「津和野乙女峠まつり」が5月3日(祝・火)、島根県鹿足郡津和野町で開催される。津和野カトリック教会から乙女峠まで、聖母行列や野外ミサが行われる。
乙女峠は、長崎の浦上四番崩れの歴史の中に登場する土地だ。1867(慶応3)年、長崎でフランス人神父ベルナール・プティジャン神父による「信徒再発見」をきっかけに、明治政府による大規模な隠れキリシタン弾圧事件(浦上四番崩れ)が起き、長崎浦上村の信徒3千人以上が、日本各地に配流となった。
そのうち約150人が津和野藩に送られ、光琳寺に幽閉された。改宗を求めて拷問が行われ、36人の殉教者を出した。残りの信徒は1873年の禁教解除により釈放され、浦上へ戻った。
カトリック教会は、この舞台となった光琳寺を購入し、1948年に「聖母マリアと36人の殉教者にささげる聖堂」として、「乙女峠記念堂」(乙女峠マリア聖堂)を建立した。毎年5月3日に殉教者をしのんで行われているのが「乙女峠」祭りで、県内外から約2千人が訪れるという。また近年はカトリック教会によって、殉教者の「列福列聖」運動も行われている。
詳しくは、津和野市の郷土史家で津和野町観光協会副会長の山岡浩二氏による本紙コラム「津和野「乙女峠」―殉教の記憶と償いの思いを未来へ」(全3回)を参照。
今年は前日の2日(月)、「浦上四番崩れとドロ神父」と題した学びの会も予定されている。
日時:
5月3日(祝・火)
午前10時半 聖母行列(津和野教会~乙女峠)
正午 野外ミサ(乙女峠)
5月2日(月)
午後7時 分かち合い「浦上四番崩れとドロ神父」(幼花園ホール)
問い合わせは、津和野カトリック教会(〒699‐5605島根県鹿足郡津和野町殿町、電話:0856・72・0251、FAX:0856・72・0282)