ヴィンセンテ・キロガ(南米チリ)
ヴィセンテ・キロガは、北部チリの大震災の時、大津波で転覆した船の破片でゴミの山になっている海岸を監視する仕事をしていました。壊れた箱、かご、帆柱などの間に、見慣れない本の数ページがあるのに気付きました。
日に当てて渇かし、読んでみました。今まで読んだことも聞いたこともないような不思議な話が書かれていましたが、何のことかよく分かりませんでした。何べんも読んでみましたが、読むたびに、素晴らしいことが書いてあることは分かるのですが、ますます訳が分からなくなってしまいました。
とうとう1人の友達にそのページを見てもらいましたが、この友達がひょっとしたら聖書とか呼ばれている本の一部かもしれないよと教えてくれました。何週間もの後、ようやくキロガは1人の宣教師に会い、聖書を1冊もらいました。ついに、聖書全部を読むことができたのです。
その言葉は彼の心に入りました。聖書を信じたキロガは今度は、自分がこの聖書を持って北部チリの砂漠地帯の、水がほとんどない川に沿ってかたまっている小さな村々を回る仕事に身をささげたのです。
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