世界の全ての言葉に聖書を(ウィクリフ聖書翻訳協会)
中南米では、大部分の人たちはスペイン語を使っています。ところが、そこにはインディオというずっと前から住んでいた人たちがいます。彼らは、普段は自分の言葉で生活しています。スペイン語はある程度分かりますが、自分の言葉ではありませんので、細かいことまでは通じません。
米国から中米のグアテマラに出掛けた宣教師のタウンゼントは、スペイン語でみんなにイエス様の話をしていました。ところが、ある時、先住のインディオから「あなたの神様がそんなに偉い方だったら、どうして神様は私の言葉で話してくれないんですか」と言われました。それまで、そんなことは考えてもいませんでしたが、その時、世界中の言葉に聖書を翻訳しなければいけないと気付き、聖書を翻訳するための宣教会を作りました。その宣教会は、聖書協会などとも協力しながら、今までに4650語ほどの言葉に聖書を翻訳しました。
また、今でも、残り2250ほどの言葉に翻訳しようと、たくさんの宣教師を、中南米やアジア、アフリカなどのまだ聖書が翻訳されたことのない地域に送って、そこで聖書翻訳の仕事をしています。日本からもたくさんの宣教師がフィリピンやパプア・ニューギニアなどに出掛けています。ようやく自分の言葉で聖書を持つことになったあるアジアの人は「あなたがたはいつからこの聖書を持っていたんだ? 父親は持っていたのか? じい様もだと? わしらのとこへ持って来るのになんでそんなに時間がかかったんだね?」と言われたそうです。
ところで、世界には幾つくらいの言語があるのでしょう。6900語ぐらいはあるといわれています。よく分かりませんが、さきほどお話した方言まで含めれば、もっと数は増えるでしょう。今では約4650語ほどの言語に聖書が翻訳されています。ですから、まだ聖書が自分の言葉では読めない人たちがたくさんいます。その人たちのために、今も聖書は翻訳し続けられています。どうぞ、その人たちのために祈ってください。早く、世界中の人たちに神様のお言葉が届くようにと。
聖書は、みんなに必要な本ですので、読みたくても読めない人がいたら困ります。目の不自由な人、また耳の聞こえない人にも聖書は必要なのです。
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