キリスト教学校教育同盟の第58回小学校代表者研修会が1月29、30日の2日間、浦和ロイヤルパインズホテル(さいたま市)などで開催された。キリスト教学校教育同盟加盟各校から21人が参加し、2日目には昨年新築したばかりの浦和ルーテル学院を訪問し、「道徳の教科化」についても意見を交わした。機関誌「キリスト教学校教育」4月号が報じた。
研修会の第1日目は、浦和ロイヤルパインズホテルを会場に、開会礼拝を行った後、「わが校の課題」について参加者全員が5分間ずつスピーチを行った。参加者はそれぞれ、▽キリスト教学校としてのあるべき人間教育とは何か、▽学校経営上の深刻な悩み、▽先生たちの心身の健康のこと、▽長年変えられない学校の体質、▽新しい動きを取り入れる上での動機づけなどについて語った。
スピーチを受けて、ゲストとして参加した教育研究委員会担当の小暮修也理事(明治学院学院長)は、「次の日、子どもたちの前に良い顔をして立つ」ために、▽自分の課題に優先順位をつけること、▽公立学校に学んだ上で私学としての独自性を打ち出すこと、▽人材ではなく人格を育てるのがキリスト教学校であること、▽他校の良いところを取り入れる作戦でいくことなどをアドバイスした。
第2日目は、昨年1月に浦和美園に移転・新築した浦和ルーテル学院を訪問した。学内を見学後、浦和ルーテル学院の「道徳の教科化」への取り組みについて、同院小・中・高等学校校長の福島宏政氏が説明した。福島氏は、同院が「道徳」の教科書の内容を、キリスト教の立場で教えることを想定し作成した「キリスト教・聖書的視点からの授業展開」指導案を紹介した。
参加者は、「『道徳』が教科となり、『宗教』では代替できないとなった場合、どういう『道徳』を教えるのか」「国が求める道徳教育の領域をはるかに超える、キリスト教学校の『人間教育』の実践を整理していくことで、指導要領の項目網羅を表せるのではないか」などの意見を交換し、課題を共有した。