札幌市議会で29日、安全保障関連法の廃止を求める意見書が提出された際、賛成討論に立った共産党の小形香織市議(51)に対し、自民党の勝木勇人市議(56)が「精神鑑定を受けた方がいいんじゃないのか」とヤジを飛ばしたとして、共産党札幌市議会議員団は30日、札幌市議会自民党議員会に対して抗議し、謝罪とヤジの撤回を求めた。
札幌市議会の伊藤理智子市議(共産党)がフェイスブックで公開した抗議文によると、共産党側は「小形議員の人格に対する攻撃であるだけでなく、安全保障関連法の廃止を求めるすべての市民および国民を冒涜(ぼうとく)する許しがたいものである」と非難。「市民の負託を受けた議員として、このような言動は許しがたく、当該議員に対し猛省を求めるとともに謝罪、撤回を求める」としている。
朝日新聞によると、小形氏が意見書に対する賛成討論を終え、拍手が起きた直後に、男性とみられる声で「精神鑑定を受けた方がいいんじゃないのか」というヤジが出たという。同紙によると、勝木氏は30日、事務所を通して「覚えがない」と回答しており、札幌市議会自民党議員会の宗形雅俊幹事長は、問題のヤジには気付かなかったとして、「個人に向けられたヤジなのか、大声の私語なのか、発言の有無も含めて事実関係を精査したい」と話しているという。
一方、北海道新聞によると、自民党幹部は「自民党席からそうした発言が聞こえた」と話しているという。小形氏は同紙の取材に、「基本的人権を踏みにじるようなヤジを飛ばす行為はあってはならない」とコメント。29日には自身のフェイスブックで、「札幌市議会最終日、立憲主義と民主主義をまもり安保関連法の廃止を求める意見書の提出に賛成する討論に私が立ちました。終わって議席に戻ろうとした私に自民党席からとんだヤジ。『精神鑑定受けたらいいんじゃない?』ひどくないか!?」とコメントしていた。
意見書は賛成少数で否決された。