東九州龍谷高校(大分県中津市)で数学を担当する50代の男性教師が、自宅で開いていた塾で、定期試験の問題を事前に漏えいしていた疑いがあることが判明した。東九州龍谷高校を運営する扇城学園は25日、この教師を無期限出勤停止にするとともに、第三者委員会を立ち上げ、詳しく調べている。大分合同新聞などが伝えた。
同紙によると、この教師は「試験問題だと言って見せていたわけではないが、試験に出題するのと同じ問題で指導したことはあった」と話し、漏えいを認めているという。一方、この教師は入試問題の作成にも関わっており、扇城学園は入試問題についても漏えいがなかったか慎重に調べる方針。
教師は1987年に採用され、約20年前に自宅で塾を開設。休日や夜間などを利用した不定期な指導だったが、年間で近隣の中高生ら4、5人が在籍していたという。在籍していたのは教師の知人や声掛けした生徒らで、広告などを出して広く募集はしていなかったという。
一方、生徒や卒業生の間では、この教師の塾をめぐるうわさがあったという。大分放送によると、22日に卒業生から情報提供があり、学校側が聞き取り調査を行った。
無期限出勤停止は仮の処分で、第三者委員会の調査結果が出た後、正式な処分を決める。同紙によると、扇城学園は塾の存在を認識していたが、規定で職員の副業を禁止しておらず、黙認していたという。今後は、副業に関する規定も作成する。
東九州龍谷高校は仏教(浄土真宗)系の私立高校で、1997年に扇城高校から改名。女子バレーボール部は全国屈指の強豪校として知られている。