京都府立大学は18日、同大学院生命環境科学研究科の男性教授(61)が、昨年8月に実施した2016年度の大学院入試で、出題範囲や内容に関する情報を自身の指導学生に事前に漏えいしていたとし、この教授を停職5カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は17日付。
京都府立大学はこれを受け、全受験者について、情報の漏えいがあった箇所に関する設問の得点を除外し、他の設問の得点だけで入試の再判定を実施。結果的に、合否判定に影響は出なかったという。
学長は、「今回、公平・公正に行われるべき大学院入試において、出題に関する情報が漏洩するという重大な事案が発生したことを、深くお詫び申し上げます」と謝罪。「このような事態を2度と起こすことのないよう、出題等に当たる教職員の意識を高めコンプライアンスの徹底を図ることはもとより、出題内容や方法の厳密なチェックなど再発防止策を速やかに講じ、信頼の回復に向け、全力を尽くしてまいります」とコメントした。
京都府立大学はこの教授の他にも、管理監督者責任として、生命環境科学研究科長を訓戒、学科主任を訓告の処分にした。また、学長と教務担当の副学長が給料10分の1、1カ月分を自主返納するという。
共同通信によると、この教授は大学院だけではなく大学でも授業を受け持っており、2人の学生に対し、自身が講義を行った光合成について勉強するよう口頭で伝えるなどしていたという。入試では実際に、この教授が作った光合成に関する問題が出題され、教授から情報を受けていた学生2人は合格、情報を受けていなかった学生1人は不合格だったという。