九州保健福祉大学(宮崎県延岡市)は、同大の通信制大学院で博士号を取得した皇学館大学(三重県伊勢市)の女性教授(53)の博士号を、論文に盗用があったとして取り消した。共同通信などが伝えた。
同通信によると、教授は2012年度に九州保健福祉大学の博士課程に在籍し、ハンセン病に関する博士論文を執筆、13年3月に博士号を取得していた。しかし、15年3月ごろ、外部の研究者から論文内に盗用があると指摘があり、調査を実施。盗用が確認され、教授も認めたため、同年6月、皇学館大学は教授を停職3カ月の懲戒処分にしていた。
朝日新聞によると、九州保健福祉大学は、教授の博士論文のハンセン病療養所の歴史などに関する21ページの章のうち4ページ相当で盗用があったと判断した。該当部分は、盗用を指摘した外部の研究者2人の著書やインターネット上から、出典を示さずに引用されていたという。
同紙によると、教授の論文は14年12月に書籍化されているが、盗用が明らかになり、絶版、回収されている。
九州保健福祉大学では、大学院の課程を通信制で提供しており、ホームページによると、社会福祉学研究科修士課程、連合社会福祉学研究科博士(後期)課程、保健科学研究科修士課程、保健科学研究科博士(後期)課程、連合国際協力研究科修士課程の5つの課程がある。