イスラエルの考古学者が、現在は駐車場となっている土地から第一神殿時代の「希少な」印章2点を発見した。
印章は、今月ダビデの町のギヴァティ駐車場で発見されたものだとイスラエル考古庁(IAA)が確認した。
その2点の印章が希少な理由は、まず第一神殿時代のものだということ、そしてそのうちの1点がエリハナ・バト・ガエルという名の女性が所有していたという事実からだ。
駐車場内の大きな石でできた構造物から発見されたガエルの印章には、この女性が「特別な」存在だったと記されている。もう1点は、サアリャフ・ベン・シャベニャフという名の男性が所有していた。
ギヴァティでのプロジェクトの掘削者はイスラエル考古庁からのプレスリリースの中で、「第一神殿時代の名が記された印章の発見はありふれたことではなく、また女性が所有していた印章の発見はさらに希少なものです」とコメントした。
印章は、第一神殿時代の管理施設とみられる建物の一部である大きな石の柱に埋め込まれているのを発見された。
ドロン・ベン・アミ博士、ヤナ・チェカノベツ氏、サロメ・コーエン氏など発掘作業に携わる考古学者は、IAAのプレスリリースの中で、印章は指輪のようにはめられ、書類に署名するときに使用されたと推測した。
「エリハナやサアリャフのような個人の印章は書類に署名するのに用いられ、指輪の一部としてはめ込まれており、所有者が身に付けていました。古代ではそれが、印章の所有者の本人性、家系、社会的地位を表していました」と学者たちは語った。
考古学者は、今回発見された印章を女性が所有していたことから、この印象が特に希少なものだと述べた。第一神殿時代の女性は経済的に弱い立場にあり、夫や父親に依存していたことから、印章を所有していた女性はごく僅かだった。
最近発見されたこの印章に聖書の「エリ」の女性名であるエリハナ・バト・ガエルという名前が刻まれていた事実は、この女性が、おそらくは夫よりも実家の家庭の豊かさによって、非常に高い社会的地位を得ていたことの証左だ。
エルサレムには、第一神殿時代の考古学的発見が非常に多くある。
イスラエル考古庁は2012年9月、考古学者が神殿の丘の隣から大きな貯水池の跡を発掘したことを発表した。このことによって、2500年前の古代の町がどのように公共用水を利用していたかに光を照らした。
イスラエル自然公園局の考古学者ツヴィカ・ツク氏は考古庁のプレスリリースの中で、この貯水池は神殿と巡礼者のための水を賄っていたとみられると述べた。
「神殿の丘の隣で発見された大きな貯水池は、神殿そのものの通常の管理に用いられただけでなく、神殿を訪れた巡礼者が洗濯や飲用のために利用していた可能性があります」とツク氏。
250立方メートルの水を貯めることができるこの人口の貯水池の発見は、第一神殿時代の人々が水の供給をギホンの泉のみに依存していたわけではなく、貯水池を建造するだけの建築に関する知識を持っていたことの証明となった。