【CJC=東京】紛争が続くイエメン南部アデンで、カトリック系の高齢者施設が襲撃を受け、修道女4人を含む16人が死亡したことが6日までに分かった。バチカン(ローマ教皇庁)が明らかにした。
バチカン発表として米メディアCNNが報じるところでは、武装集団は4日、施設の建物に突入した後、1部屋ずつ回って計16人の手を縛り、頭部を銃で撃って殺害した。
バチカンのフィデス通信によると、死者のうち4人は、カトリックの「聖人」認定が決まっているマザー・テレサが設立した修道会「神の愛の宣教者会」のメンバー。2人はルワンダ人で1人がインド人、残る1人はケニア人。
バチカンのピエトロ・パロリン国務長官は、襲撃を「極悪非道の愚かな行為」と非難した。教皇フランシスコも犯行を「無意味な虐殺」と呼び、事件が「全関係者の良心を呼び覚まし、武器の放棄や対話につながるよう祈っている」という。
イエメンでは近年、イスラム教シーア派武装組織「フーシ」と政府軍の対立に乗じ、国際テロ組織アルカイダなどによる暴力が続発している。