【CJC=東京】2015年の復活祭(イースター)は、カトリック、聖公会、プロテスタント諸派など「西方教会」では、16世紀に採用されたグレゴリオ暦に従って5日に祝った。基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるため、年によって日付が変わる移動祝日。ただ正教会など「東方教会」は、今もユリウス暦によって算出し、復活祭(パスハ)を今年は12日に定めている。
4日夜、復活徹夜祭をバチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ大聖堂でささげた教皇フランシスコは5日、復活の大祝日の朝のミサをサンピエトロ広場で行った。ローマは雨模様だったが、バチカン周辺は世界各国の巡礼者で溢れ、オランダから寄贈された大聖堂前の春の花壇が明るい色彩を放っていた。朝のミサに続き、正午、教皇は大聖堂の中央バルコニーから、ローマと世界に向けてのメッセージと祝福「ウルビ・エト・オルビ」(ローマ市と全世界へ)を述べた。
教皇はメッセージの中で、「イエスはその死と復活をもって、全ての人に命と幸福の道を示してくださいます。その道とは、自分を低くする、謙遜です。これが栄光に導く道です。ただ自分を低くすることによってのみ『上にあるもの』、すなわち神の方に(コロサイ3:1~4)行くことができるのです。高慢は『上から下』を見下ろし、謙遜は『下から上』を見上げます」と述べた。
また、「復活の主に、暴力や戦争を生み出す傲慢(ごうまん)に陥ることなく、赦しと平和の謙遜な勇気を持つ恵みを願いましょう。勝利のイエスに、イエスの名のゆえに迫害される私たちの多くの兄弟姉妹たち、また現在進行している紛争と暴力のために不当な苦しみを受けている、全ての人々の苦痛を和らげてくれるよう求めましょう」と願った。
そして平和を、「特にシリアとイラクに」「聖地の全ての住民のために」、さらにリビア、イエメン、ナイジェリア、南スーダン、スーダンの多くの地域、そしてコンゴ民主共和国などの名を挙げ祈った。
ケニアのガリッサの大学で殺害された若者たちをはじめ、命を失った全ての人、また拉致された人、自分の家や親しい人たちを後に残さざるを得なかった人たちのために、善意の人々の祈りが上がっていきますように、とも述べた。さらに主の復活が愛するウクライナに、特に最近の紛争の暴力に巻き込まれた人々に、光をもたらしますように、同国が当事者間の努力によって平和と希望を再び見いだすように祈った。
また、犯罪的な人々や組織によって新旧の隷属状態に置かれている多くの人々、麻薬売買の犠牲者、疎外された人、受刑者、貧しい人、移民たち、また病者や、苦しむ人々、特に暴力を受ける子どもたち、喪に服している人たち、そして全ての善意の人々に、主イエスの慰めの声が届くように、と語った。