多数のスクープ写真を撮影したことで有名なカメラマン、福田文昭さん(69)=東京都豊島区=が26日、経済産業省の菅原郁郎事務次官(58)を脅迫する内容の文書をファックスで送ったとして、脅迫容疑で逮捕された。共同通信などが伝えた。
同通信や朝日新聞によると、福田容疑者は昨年11月17日朝、菅原事務次官やその家族に危害を加えるという内容のA4サイズの文書1枚を、自宅から事務次官室にファックスで3回送ったという。文書は筆書きで、送信元は非通知になっていたという。福田容疑者は容疑を認めているが、ファックスを送ったのは「仕事だから」などと説明しているという。
同紙によると、福田容疑者は菅原事務次官以外の他の省庁の事務次官やマスコミ関係者に同様の文書を送っていたとみられており、FNNによると、福田容疑者の自宅からは、同じような内容の文書が見つかったという。
福田容疑者は、山口百恵さんと三浦友和さんの密会現場を撮影したり、ロッキード事件の公判で故田中角栄元首相を法廷内で隠し撮りしたりするなど、多くのスクープ写真を撮影したことで知られている。福田容疑者のブログによると、1946年山梨県生まれ。東京写真短期大学(現・東京工芸大学)卒業後、通信社勤務を経てフリーカメラマンとなり、81年、雑誌『FOCUS(フォーカス)』(休刊中)の契約カメラマンとなり、「芸能人や政治家たちの“素顔”を写す」と自身を紹介している。
一方、『FOCUS』では、動物と人間の関わりを追求する「へいせい動物記」を7年間連載。人と犬とのつながりに興味を抱き、似た者同士の飼い主と飼い犬をテーマにした写真の撮影を行い、64組の人と犬の写真集『愛すれば、そっくり』(ワック出版)を出版。『青春ふたたび帰らず69新宿カミナリ族は、いま』(第三書館)で第16回平凡社準太陽賞受賞。主な著書に『百恵にフォーカス』(同)、『田中角栄張り込み撮影日記』(葦書房)、『へいせい動物記』(新潮社)、『私の分身』(祥伝社)などがあるという。