佐川急便の冷凍・冷蔵品の配送業務の一部に不備があったとする問題で、同問題を報じた朝日新聞の男性記者(42)に対し、朝日新聞のホームページ上に殺意を示すコメントをしたとして、警視庁は12日、佐川急便の30代の男性社員(岐阜県高山市)を脅迫容疑で書類送検した。朝日新聞などが同日伝えた。
朝日新聞によると、男性社員は「記事の署名を見て、1人でやった。危害を加えるつもりはなかった」と話しているという。
朝日新聞は昨年11月、佐川急便の「飛脚クール便」について、「冷たくない」などの苦情が半年間で計34件寄せられており、さらに、全国で月平均600件を超える事故がクール便で起っているなどと問題を報じていた。
男性社員はこの記事を見て腹を立て、該当の記事を実名公開で書いた朝日新聞社会部の男性記者を名指しし、「殺す 3日だけ時間あげる 逃げるのならにげてみろ」などと、脅迫するコメントを残したとされている。
朝日新聞は、佐川急便広報担当者のコメントとして、「誠に遺憾であり、関係者の方々に深くおわび申し上げます。事実確認を行い、厳正に処分致します。今後さらに従業員教育を強化し、再発防止に努めます」と伝えた。また、朝日新聞広報部は「記事の内容について記者個人を脅迫することは、容認できない行為と考えます。今後の捜査を見守っていきます」としている。