教皇フランシスコは18日、蚊が媒介するジカ熱が流行している地域では、避妊は正当化されると述べた。
ラテンアメリカ諸国で急速に拡大し、妊娠中の女性が感染すると胎児の小頭症を引き起こす疑いが強いジカウイルスとの関連において、避妊は「二つの悪より軽い」と教皇。小頭症にかかった赤ちゃんは異常に小さい頭を持ち、広範に発達の問題が出る可能性が高い。
教皇はこれまで、たとえジカウイルスに感染していたとしても、妊娠中絶は「絶対的に悪」で選択肢に上るべきではないとの姿勢を崩していなかった。
教皇は現在の危機と、強姦被害のリスクが高いアフリカで、修道女の避妊を認めた教皇パウロ6世の回勅「フマネ・ヴィテ」を比較した。
教皇フランシスコは、「妊娠を避けることは、絶対悪ではありません。今回の件のような一定の事例、例えばパウロ6世様の回勅の時のような事例では明らかです。医師たちには、この病気を媒介する蚊の撲滅のために全力を尽くしてほしいと願います。その尽力が必要です」と語った。
教皇は6日間のメキシコ司牧訪問を終えてローマに戻る途中の航空機内で会見した。
教皇の避妊についてのコメントは、WHO(世界保健機関)がジカ熱の流行している地域の女性に対し、中絶にしろ避妊にしろ、当面の間妊娠を避けるべきとアドバイスしていることを受けてのものだ。
避妊に対する伝統的なカトリックの考え方は、あらゆる人工的な方法を使うことは罪だというもの。