1970年代にエキュメニカル・センターとして竣工し、築40年以上を経て昨年6月に耐震改修工事が始まった日本キリスト教会館(=写真、東京都新宿区)。今年2月中旬を経て、工事は最終段階に入った(本紙関連記事はこちら:2015年6月4日付「日本キリスト教会館、耐震改修工事始まる」)。
施行を請け負っている株式会社佐藤秀(新宿区)が同会館の入り口付近に張り出している2月17日付の工程表には、19日に「引渡し」と書かれており、防水工事を27日に、内部残工事やサイン(看板)工事を29日に終える予定となっている。
オーナーとしての権利を有し、同館に事務所を置く10の団体は、工事中に他の場所へ一時移転していた。23日には一部の団体の事務所の照明が外から見えた。この工程表には、各オーナーの引っ越しは22日から3月3日までと書かれている。すでに、同会館での活動を3月に再開することを公表している団体もある。
同会館の入り口付近にある看板に書かれた一週間の作業予定表には23日現在、月曜日から土曜日まで「躯体(くたい)撤去」とあった。また、工程表の備考欄には、「実際の工事の際は改修工事の性質上、予測し得ない事象等により、工程・工期に変更の生ずる場合があります」とも記されている。
外観の塗装は23日現在、工事開始直後の暗い灰色から、白みがかった明るい灰色へと新しく変わっていた。しかし、同会館の入り口付近には「関係者・入館許可者以外入館禁止」という表示が依然としてあり、それらの人々以外は、内装など中の様子をうかがい知ることはまだできない。
一方、同会館6階に会議室を持つ早稲田奉仕園セミナーハウスは、同ハウスのロビーで一般に配布している昨年8月5日付のお知らせ文で、「現在耐震工事を行っている<日本キリスト教会館>ですが、このたび耐震工事終了後も6階会議室はご利用いただけないこととなりました。ご不便をおかけいたしますことを重ねてお詫び申し上げます」と記している。
一方、工事完了まで休会となっていた早稲田奉仕園内にある日本基督教団早稲田教会の正午礼拝は、完了後に再開する予定。
総工費は2億7500万円。設計・管理は、キリスト教建築などで知られる、株式会社一粒社ヴォーリズ建築事務所東京事務所(千代田区)が担当した。
なお、昨年6月20日付の日本基督教団「教団新報」電子版4822号は、同年5月28日に行われた同会館の耐震・改修工事起工式の模様を報じていた。