【CJC=東京】教皇フランシスコとキリル総主教の会談について、毎日新聞がバチカン(ローマ教皇庁)の東方研究学院ステファノ・カプリオ教授にその意義を聞いた。
「会談が可能になったのは、政治と宗教の両面で好ましい環境が整ったためだ。先々代教皇のヨハネ・パウロ2世(ポーランド出身)はロシアを『挑戦的』と見なしていたが、非欧州(アルゼンチン)出身のフランシスコ教皇はより親露的な立場だ。一方、会談にゴーサインを出したとされるロシアのプーチン大統領は欧米から孤立し、支援を必要としている」
「会談は東西キリスト教会『合同』への一歩にはならないと思う。むしろ、総主教が会談に同意したのは、教会合同問題は話し合わないからだと思う。歴代教皇と違い、フランシスコ教皇は教義面での主張はしない。お互いの独立性は変えずに、友好、協力、兄弟関係を進めようとしている」