言葉は関係を壊しもし、強めもする莫大(ばくだい)な力を持っている。このことは、人々、特に夫婦の間で意見が一致しないときには特にそうだと、父親を支援する団体「オール・プロ・ダッド」のコンテンツ・マネージャー、B・J・フォスター氏は語る。
けんか中の夫と妻がやりとりしている言葉は、その「親密さのレベル」により、さらに深い影響を与えると、フォスター氏は「カリスマ・ニュース」に寄稿した。
「不一致があるさなかには、その状況を助長したり抑えたりするために言葉を選び、力を持たせることです」。怒りを抑え、対立を鎮めるために、フォスター氏は、夫が妻に決して言うべきではない五つの言葉を提案した。
1. 「少なくとも」
この言葉を使う夫は、今ある問題の別の側面を見ることで、問題自体から目をそらそうとしている。その問題がいかに表面的なものだったとしてもだ。フォスター氏によると、妻にこの言葉を言うことは「妻が重要だと感じていることを軽んじ、妻の感情を度外視することで、究極的には同情心の欠如」だという。「少なくとも」の後に続く言葉が何であろうと、「対立と断絶を深めるだけ」とフォスター氏は指摘する。
2. 「どうでもいい」
議論中、この言葉の持つ影響力は破壊的だ。フォスター氏はある時、妻にこの言葉を使ったことによって、「これまで使ったどの言葉よりも、多くの対立をわが家に引き起こしました」と回想する。フォスター氏の妻はその時、あることについて自分の意見を話そうとしていた。フォスター氏は「どうでもいい」とうっかり口走り、「僕はこのことをあなたと一緒にしたくはない。あなたのことはどうでもいい」と妻に受け取られてしまった。
3. 「話にならない」
この言葉は時に、妻が本当に感情にのみ込まれていて、理由や事実を完全に無視していることに、夫自身が傷ついているという事実を伝えるために発せられる。「しかし、あなたがどんなに分かりやすく妻に説明したとしても、その時には正しく理解してはもらえないでしょう。その言葉は火に油を注ぐだけです。妻に耳を傾け、感情を知ることが最善です。妻が落ち着いてから納得させましょう」とフォスター氏。
4. 「僕はそれをしたかもしれない。でも、あなたは・・・」
夫は、過ちの責任を認めようとしてこの言葉を使うが、実際にはそれを妻に転嫁しているのだ。「妻も同じことをしていると非難することは、解決しようとするよりも勝ちたいという願いが透けて見えるため、話をこじらせるだけです。何か過ちを犯したなら、それを背負い、謝罪することでリーダーシップを見せる必要があります。このことによって対立を鎮めるのです」とフォスター氏。
5. 「他の人はあなたのようには反応しない」
妻にこのことを言う夫は、実際には妻とほかの女性を比較しているのだ。「この言葉は妻を人として低く評価し、心の深いところに重大な不安感を塗り込みます」とフォスター氏。夫がこの言葉を言う最悪のシチュエーションは、妻を自分の母親と比べて言うときだ。この言葉を聞いた妻は、確実に「あなたと知り合えてよかったです。さようなら」と言って去っていくだろう。