米サドルバック教会のリック・ウォレン牧師は、赦(ゆる)しの本当の意味を多くの人が混乱して捉えていると指摘した。それゆえに、人々は赦しについてさまざまな思い違いをしており、「過去の傷に不健康なほどしがみついている」という。
「聖書は明らかに、私たちに他の人を赦すよう呼び掛けています。ガラテヤの信徒への手紙6章1節には、『兄弟たち、万一だれかが不注意にも何かの罪に陥ったなら、“霊”に導かれて生きているあなたがたは、そういう人を柔和な心で正しい道に立ち帰らせなさい。あなた自身も誘惑されないように、自分に気をつけなさい』とあります」と、ウォレン牧師は聖霊・カリスマ派のニュースサイト「カリスマ・ニュース」の記事で説いた。
クリスチャンに対し、他者を赦すことを神が期待している以上、それを実践するにはどうすればいいのか。聖書の赦しとはどのようなものなのか。ウォレン牧師によると、真に赦すためにとるべき四つのステップがあるという。
1.完璧な人は誰もいないと認める
「私たちが誰かを憎むとき、その人に対して公平な視点を失いがちです。立腹、苦さ、傷が心を満たすとき、攻撃した人を人として考えるのをやめてしまいがちです。そういう人を動物のように扱うのです。しかし、私たちはみな同じ船に乗っているのです」とウォレン牧師。
聖書は、誰一人として罪から自由な人はいないことを思い起こさせてくれる。コヘレトの言葉7章20節には、「善のみ行って罪を犯さないような人間は、この地上にはいない」とある。
2.仕返しをする権利を放棄する
ウォレン牧師は、本当に他の人を赦したいと願う人は、復讐を決意しないと語った。いくら正義があったとしても、復讐の計画を実行することに加担してはならない。それは公平ではないかもしれないが、霊的、感情的な面では健康的だ。
「これは1回だけの決断ではなく日々行うことで、場合によっては一瞬ごとに決断する必要のある場合もあります」とウォレン牧師。
3.悪に対して善で報いる
「これは、あなたに対して悪を行った人を完全に解放しているかを知る方法です」とウォレン牧師。もちろん、人は神の善性に届かないため、このことはほとんど不可能に近い。しかし、神の助けによって、一人一人を通してその善性が現れるために、イエスはその全てのギャップを埋めることができるのだ。
4.あなたの人生に対する神の計画に再び焦点を当てる
まず初めに、自分の身に起こった悪い出来事に焦点を当てることをやめねばならない。代わりに、人生に対する神の目的に焦点を当てる。ウォレン牧師は、神の計画が、人の直面する問題よりも大きいと確約する。
「あなたを傷つけた人に焦点を置き続ける限り、その人があなたをコントロールします。事実、あなたはさらに1歩踏み出すことができるのです。もしあなたが攻撃した人を解放しなければ、その人に似るようになるでしょう」とウォレン牧師は警告している。