イエス様の中にとどまりなさい
「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです」(ピリピ4:13)
使徒パウロが、苦しみ、貧しさ、さらには死の脅威の中でも満ち足りつつ忍耐できた力の源泉は、まさにイエス・キリストでした。それゆえに、「私を強くしてくださる方によって」、すなわち「キリスト・イエスの中で」どんなことでもできるのだと告白したのです。
パウロの神学の中で一番重要なのは「イエスの中で」(エン・クリスト)です。新約聖書の中では160回以上「イエスの中で」「主の中で」という言葉が使われており、ピリピ人への手紙では「キリスト・イエス」「イエス・キリスト」という言葉が47回使われています。これはキリスト・イエスの中に喜びがあり、キリスト・イエスの中に恵みがあるということです。
使徒パウロは、牢獄という苦しい環境の中でも幸せでいられる理由もまた、キリスト・イエスが自分の中に満ち溢れているからだと言いました。キリスト・イエスが自分にどんな恵みをくださったか、どのように支えてくださったかを知っているため、苦しみの中でも喜べるということです。イエス様の霊で満たされている人は、いつでも喜びに満ち溢れることができます。イエス様こそ、私たちがこの世で安らぎを得るための通路となられるからです。
使徒パウロは、どのような状況においても、いつもイエス様お一人だけを仰ぎ見ました。貧しさの中にあるときに自分の貧しさを見つめませんでした。富んでいるときも富を見つめませんでした。ただイエス様だけを仰ぎ見つつ、主がくださる力で全ての環境を克服しました。
ヘンリ・ナウエン(Henri Nouwen、1932~96年)は、その著書『いまここに生きる(Here and Now)』で次のように語っています。
「喜びは幸せと同じものではない。私たちは多くのことにおいて不幸であっても、そこにも依然として喜びを見つけることができる。なぜなら、その喜びは私たちを愛される神様の愛を知ることによるものであるからである」
貧しいときに自分の貧しさを見つめれば、すぐ落胆してしまいます。また、反対に富んでいるときに自分の富を見つめると、傲慢(ごうまん)になりがちです。ですから、私たちは自分が置かれた条件や環境を見つめてはなりません。全ての環境をつかさどられるイエス様だけを仰ぎ見るべきです。そうするとき、主がくださる力で全ての環境を克服することができます。
(イ・ヨンフン著『まことの喜び』より)
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【書籍紹介】
李永勲(イ・ヨンフン)著『まことの喜び』 2015年5月23日発行 定価1500円+税
苦難の中でも喜べ 思い煩いはこの世に属することである
イエス様は十字架を背負っていくその瞬間も喜んでおられました。肉が裂ける苦しみと死を前にしても、淡々とそれを受け入れ、後悔されませんでした。私たちをあまりにも愛しておられたからです。喜びの霊性とは、そんなイエス様に従っていくことです。イエス様だけで喜び、イエス様だけで満足することを知る霊性です。神様はイエス様のことを指し、神の御旨に従う息子という意味を込めて「これは、わたしの愛する子」(マタイ3:17)と呼びました。すなわち、ただ主お一人だけで喜ぶ人生の姿勢こそが、神の民がこの世で勝利できる秘訣だということです。
(イ・ヨンフン著『まことの喜び』プロローグより)
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李永勲(イ・ヨンフン)
4代続くキリスト教家庭に生まれ、幼い頃から主日学校に通いながらヨイド純福音教会と深い関わりを持ってきた。延世大学および韓世大学、連合神学大学院を卒業し、アメリカのウェストミンスター神学大学院修士課程を修了した後、アメリカのテンプル大学において宗教哲学修士(M.A.)と宗教哲学博士学位(Ph.D)を取得した。アメリカのワシントン純福音第一教会、日本のフルゴスペル東京教会、アメリカのLAナソン純福音教会の担任を務め、国際神学研究院院長、韓世大学教授、アメリカのベテスダ大学総長、ヨイド純福音教会教務担当副牧師などを歴任し、対外的には韓国キリスト教総連合会(CCK)共同会長と韓国キリスト教教会協議会(NCCK)会長などを歴任した。
現在、ヨイド純福音教会の2代目担任牧師として、韓国キリスト教総連合会(CCK)代表会長、キリスト教大韓アッセンブリーズ・オブ・ゴッド総会長、社団法人グッド・ピープル理事長などの活動を行っている。チョー・ヨンギ牧師の牧会と霊性を継承、発展させながら、ペンテコステ聖霊運動と御言葉充満の調和、仕えることと分かち合うことの実践、世界宣教および教会連合運動などに力を注いでいる。
主な著書としては『The Holy Spirit Movement in Korea』『霊的成長の道』『小さきイエスの霊性1・2』『感謝の奇蹟』『信仰の奇蹟』(以上、全て韓国語版)、韓英対訳『十字架の恵み』など多数。訳書としては『ペンサコーラ、奇蹟の現場‐ブラウンズビル教会』『世界ペンテコステ・ホーリネス運動の歴史』などがある。