・・・「あなたが神の子なら、この石がパンになるように、命じなさい。」イエスは答えて言われた。「『人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる』と書いてある。」すると、悪魔はイエスを聖なる都に連れて行き、神殿の頂に立たせて、言った。「あなたが神の子なら、下に身を投げてみなさい。『神は御使いたちに命じて、その手にあなたをささえさせ、あなたの足が石に打ち当たることのないようにされる』と書いてありますから。」イエスは言われた。「『あなたの神である主を試みてはならない』・・・(マタイ4:1~11)
今年1年のテーマは「Grace and Peace! 恵みと平安が溢れる一年を!」です。1年を通して恵まれるということは、つまり、今日一日、明日一日が祝福されるということなのです。「今は恵みの時、今は救いの日です」(Ⅱコリント6:2)。今日こそ神の恵みをしっかりいただきましょう。
ロボットや機械が進歩して、人間の領域がどんどん狭まっている昨今ですが、人間にしかできないこと、それは神と向き合うことです。イエスがご自分の命まで捨てて私たちを愛してくださった深い愛とご計画に向き合うこと以外に、私たちの本当の幸せはないのです。イエスに注目していきましょう。
今日の聖書の箇所は、イエスがいよいよ救い主としてご自身を人々の前に現されようとする直前の大きな出来事が書かれています。四十日四十夜の断食の後、荒野で悪魔からの試みをお受けになりました。私たちと同じ人間の体を持つイエスが、命をかけるほどご自分を追い込まれた後の悪魔からの誘惑です。
この試みの後、イエスがまことの救い主であると証明され、人々の前で救い主としてのお働きを始められたのでした。イエスを模範としイエスと一緒に歩みながら、私たちが必ず勝利させていただく三つの鍵を学びましょう。
1. 物質的肉体的欲求にふりまわされない!
人は、その命を維持するための欲求や物質的欲求が際限なくあります。しかし、イエスはおっしゃいます。「人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる」と。
今の世の中は、「神なんかいない」とうそぶく人たちが増えています。欲求のおもむくまま何のコントロールもかけず生きていると、人生を破滅させることになるのです。
必要と思うものを求めるときは、神が正しいとされる基本、正しい道から外れてはいないか常に祈りつつ、神の御言葉によって生きることを意識しましょう。
2. 精神的欲求に注意!
人間は、本能のまま生きている動物とは違って、自分の意思の働きがあります。優越感から人を裁いたり高ぶったり、反対に劣等感にさいなまれたりします。自己中心的でわがままです。
しかし、神に対して横着になってはなりません。無制限に暴走してはなりません。神の前にへりくだることを覚えなければなりません。自分の欲求を満たすために神を利用しようとすれば、「あなたの神である主を試みてはならない」と言われます。
3. 霊的な誘惑は怖く罪深い!
「あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えよ」
人である以上、「神」への意識があり「霊的なもの」を求めています。しかし、自分に都合の良い、訳の分からぬ悪魔、悪霊を拝むと、間違った方向に行ってしまいます。世に言う「パワースポット」や「占い」などです。天地創造の神、私たちの命を造られた神を拝むのでなければ、全部ピントはずれなのです。
イエスは、悪魔の三つの試みを完璧に遮断されました。しかし、私たちは人間ですから、欠点だらけで弱さはつきものです。イエスと同じにはなれませんが、イエスは模範です。イエスによって心のバランスが与えられ、愚かな罪に陥らないように御言葉に従ってまいりましょう。
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万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。