札幌市中央区の繁華街「ススキノ」で風俗店への客引きをした容疑で、私服捜査員が13日、20〜30代とみられる男を現行犯逮捕したが、男が捜査員を振り切って逃走した。北海道警札幌中央署が14日未明に発表した。国内主要各紙が伝えた。
札幌市では条例で風俗店への客引きなどを禁止しており、通称「ススキノ条例」と呼ばれている。朝日新聞が北海道警の発表として伝えたところによると、札幌市中央区南5上西4丁目の路上で、男が私服捜査員に風俗店を案内する内容で声を掛けた。捜査員は男をススキノ条例違反容疑で現行犯逮捕。タクシーで警察署に連行しようとしたが、男は捜査員の腕を振り払って逃走した。
産経新聞によると、捜査員は男を羽交い締めにして現行犯逮捕したが、手錠はかけていなかったという。また、当時捜査員計6人がススキノで客引きの取り締まりをしていたが、逮捕現場には他の捜査員は居合わせていなかった。
男は20〜30代とみられ、身長は約170センチ。黒のコートを着ていた。また、眼鏡をかけ、首にかけるタイプのウオークマンを身に付けていたという。
札幌市は、風俗店の従事者やアダルトビデオの被写体になるよう勧誘する「カラス族」と呼ばれる人々や、卑わいな内容の看板、ビラ、客引きがススキノで数多く確認され問題となっていたことから、2005年に「札幌市公衆に著しく迷惑をかける風俗営業等に係る勧誘行為等の防止に関する条例」(通称・ススキノ条例)を施行した。
ススキノ条例では、既存の法律や条例では取り締まりが難しい、公共の場における風俗店従業員の勧誘行為や客引き、卑わいな広告物の掲示などを禁止。違反者には、50万円以下の罰金または拘留もしくは科料を定めている。さらに、金品を与えるなどして他者に違反行為をさせた場合は、100万円以下の罰金を適用し、常習者にはさらに重い罰則を定めている。