「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」のユネスコ世界文化遺産登録に向けて、長崎県および一般社団法人長崎県観光連盟は、「“ひかりと祈り 光福の街 長崎”への誘い」と題したパネル展と講演会を、聖イグナチオ教会ヨセフホール(東京都千代田区麹町6)で開催する。パネル展には、長崎の教会群をテーマに写真を撮り続けている兵庫県出身の写真家・松田典子氏の作品が展示され、講演会では、日本二十六聖人記念館館長のデ・ルカ・レンゾ神父らによる講演が行われる。
「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は、長崎におけるキリスト教の伝来と繁栄、激しい弾圧と250年もの潜伏、そして奇跡の復活、という世界に類を見ない布教の歴史を物語る資産として、2007年にユネスコの世界遺産暫定リストに登録され、今年の夏にはその本登録への期待が高まっている。今回の催しは、本登録を見据え、多くの人に同資産のストーリーや県内各地に息づく「祈りある暮らし」を広く知ってもらい、同県を訪れたいという気持ちをより多くの人に持ってもらうことを目的に開催される。
写真家の松田氏は、07年に東京写真月間「写真の日」記念写真展自由部門で最優秀賞を受賞。その後、写真エッセー「写心巡礼」シリーズを共同通信社を通じて全国配信し、長崎新聞など約20 紙に掲載されるなど「信仰と共にある美しい暮らし」をテーマに作品を撮り続けている。同展では、地元関係者との深い信頼関係をはぐくみながら撮影を重ねてきた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産をはじめ、県内各地に点在する教会の写真パネルが展示される。
講演会では、2004年より日本二十六聖人記念館館長を務めるデ・ルカ・レンゾ神父が同資産について特別講演をするほか、松田氏による「『写心巡礼』光福の長崎より」と題しての写真講演も行われる。さらに、県内に約30名のガイドとネットワークを組み、巡礼地を訪れ、その背景にある歴史、そこに生きた人々の足跡を伝え、真の感動を体感できるよう活動を続けているNPO法人長崎巡礼センター事務局長の入口仁志氏が、「『ながさき巡礼』への誘い」というテーマで話をする。
パネル展は1月13日(水)から20日(水)、時間は午前9時から午後7時。講演会は17日(日)午後1時から午後3時。入場は両方とも無料。講演会のみ定員200人。講演会参加者には、長崎県全ての教会が掲載されている「ながさき巡礼」のパンフレット、長崎のキリシタン銘菓「クルス」が配られる。問い合わせは、一般社団法人長崎県観光連盟情報推進部(電話:095・826・9407)まで。