現存する国内最古の教会である大浦天主堂(長崎市)で19日、献堂150周年を記念するミサが行われた。
ミサは、高見三明・カトリック長崎大司教を主司式とし、約20人の司祭団による共同司式のもと行われ、信徒ら約200人が参加した。長崎大司教区によると、新しい祭壇の祝福式と教区シノドス(教区代表者会議)の提言書署名式も併せて行われた。
大浦天主堂は、豊臣秀吉のバテレン追放令により日本最初の殉教者となった日本二十六聖人にささげる教会堂として、1865年に建てられた。正式名は「日本二十六聖殉教者堂」で、二十六聖人の殉教地である長崎市西阪に向けて建てられている。1953年に国宝に指定され、ユネスコの世界文化遺産登録を目指している「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の主要構成資産でもある。
完成した大浦天主堂は当時、「フランス寺」「南蛮寺」などと呼ばれ、2月19日に献堂式が行われてからは一般にも公開された。献堂式から約1カ月後の3月17日、長崎市浦上の隠れキリシタンらが訪れ、信仰者であることを神父に告白。バテレン追放令や後の禁教令でキリスト教信仰が禁止されて以来、約250年にわたって隠れながらも信仰を守り続けてきた人々がいたことが明らかになった。
今年はこの「信徒発見」の150周年でもあり、記念公開講座やシンポジウム、特別展などさまざまな催しが行われる。また、3月17日には大浦天主堂で、ローマ教皇特使としてフィリピン・コタバト大司教のオルランド・ケベド枢機卿を迎えての記念ミサ、全6回にわたる連続ミサ、祝賀演奏会などが行われる。