100人以上の牧師が米国民に対し、間もなく来る来年に向けて、銃犯罪に反対し、団結するよう呼び掛け、「十字架の道」に従うことは、自衛策としての銃火器の所持を諦めることだと提案した。
「銃犯罪に関するアドベントの宣言(the Advent Declaration on Gun Violence)」は10日、銃社会の米国における安全性の未来について討論するために集まった米国内の牧師たちにより起草された。
その請願によると、この集会で牧師たちは、銃犯罪が「福音とは対照をなす、この米国社会に深く入り込んだ特に文化的な課題」との合意に達したという。
「もし私たちが、社会の中で暴力に対して寛容であるならば、私たちの生活の在り方には、深刻に誤っている点があります。神が、この破壊の負のスパイラルの深まりを止めるよう、私たちを召していると信じます。平和の君に従う者として、銃を簡単に使える社会の現状に対抗する、喫緊(きっきん)の必要性があります」
請願はさらに、国内のクリスチャンに対し、非暴力の観点から正義を行うことを支持し、団結するよう呼び掛けている。
請願の概要で明らかになっている要求の中には、自衛策としての銃火器の使用を止めることも含まれており、銃犯罪を減らすための法の施行や、暴力を行ったり、それを擁護したりする者に対し、愛をもって応答することも挙げられている。
「私たちは、イエスのシンプルな愛の方法に従います。仕返しに憎悪を向けることを拒み、私たちに害を与える人を一方的に許し、私たちを敵とする人も含め、すべての人を祝福するよう神に祈り続けます」と請願文にはある。
この請願は、最近カリフォルニア州サンバーナーディーノで14人が死亡、17人が負傷した事件を含む、2015年に米国で発生した複数の銃犯罪を受けて出されたものだ。
ワシントンDCに拠点を置く、福音派のプロライフ活動家、ロバート・シェンク氏は、最近ワシントン・ポスト紙に、キリスト教徒は銃犯罪に対し、もっと反対の声を上げる必要があると語った。
「牧師たちと教会全体が、特に州レベルで、銃に関する法の制定を非常に強く訴えていくべきです」とシェンク氏は述べた。「私たちの声は、この議論や討論からほとんど聞こえてきません」
他の福音派の指導者は、米国で増えている銃に関する議論について、異なる反応を示している。バージニア州リンチバーグにあるリバティ大学のジェリー・ファルウェル学長は、学内の安全性を高めるため、21歳以上の学生に対し、寮の自室への銃持ち込み禁止を解除した。
ファルウェル学長は、サンバーナーディーノの襲撃事件発生後間もなく声明を発表し、「私は、このますます危険になっていく世界の中で、皆さんを安全に守るための自分の責任を、非常に深刻に捉えています」と述べた。
2013年に行われた米国福音同盟(NAE)の調査によると、米国の教会指導者のうち、73パーセントが国内の銃に関する法律をより厳しくする必要があると捉えている。この調査は、コネチカット州にあるサンディフック小学校で発生し、26人が死亡した銃乱射事件を受けて行われた。