東京高裁と東京地裁は15日、それぞれが入居する東京・霞が関の合同庁舎でアスベスト(石綿)対策の工事を行っていたところ、法廷などで白い粉のようなものが見つかったとして、全168法廷中58法廷を閉鎖したと明らかにした。時事通信などが伝えた。
同通信によると、白い粉のようなものは合同庁舎の4〜8階の廊下や法廷で14日に見つかった。東京高裁は「アスベストが飛散した可能性は低い」と説明しているが、念のため粉のようなものが見つかった法廷周辺の部屋も閉鎖したという。
粉のようなものはアスベスト対策工事中に出たとみられ、現在分析しているが、結果が出るまでに数日かかるという。法廷はそれまで閉鎖される。閉鎖された法廷で予定されていた裁判は、他の法廷で実施するという。
合同庁舎には、東京高裁と東京地裁の他に、知的財産高等裁判所、東京簡易裁判所が入居する。地上19階・地下3階の建物で1983年竣工。延べ床面積は東京ドームのグランド面積の約10倍である約14万平方メートルあり、1日の利用者は1万人を超える「世界有数のマンモス裁判所」だという。