長野県建設業厚生年金基金で約24億円を横領したとして、業務上横領罪と収賄罪に問われていた、同基金の元事務長・坂本芳信被告(56)に対して、長野地裁は25日、懲役15年、追徴金430万円を言い渡した。時事通信などが伝えた。
判決によると、坂本被告は2005年6月〜10年9月に、44回にわたって計約23億8300万円を横領した。さらに、05年7月〜06年7月には、同基金の資産投資先のファンド運営会社社長から、3回にわたって計430万円の賄賂を受け取った。賄賂は、ファンドへの出資の謝礼などとして送られた。
坂本被告は、横領した多額の金を高級クラブでの遊興費や愛人関係で使用した。判決では、「常軌を逸した浪費」と指摘。坂本被告は約7200万円を弁償しており、弁護側は情状酌量を求めたが、求刑通りの判決となった。
坂本被告による横領は10年9月に発覚。坂本被告は行方をくらまし、昨年11月にタイ・バンコクで身柄を拘束され、帰国後逮捕された。
起訴内容については全面的に認めており、伊東顕裁判長は、空前の巨額横領事件で悪質な犯行だと指摘。「一生半生して行くことを望む」などと述べた。