旧村上ファンドの元代表、村上世彰(よしあき)氏(56)が、保有株式の株価を不正に操作した容疑が強まったとして、証券取引等監視委員会は25日午前、村上氏の家族宅を捜索するなど強制調査した。日本経済新聞などが伝えた。
「物言う株主」として知られた村上氏は、M&A(企業合併・買収)コンサルティングを中核とする村上ファンドを創設した人物。2006年にニッポン放送株に関連する証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕され、11年に執行猶予付きの有罪が確定していた。
現在はシンガポールに拠点を置いて活動しており、強制調査が行われたのは、東京都内にある村上氏の長女の自宅など。
NHKによると、村上氏は保有する複数の銘柄の株式を大量に売るなどして株価を意図的に下げたとみられ、金融商品取引法違反(相場操縦)の疑いが持たれている。
一方、村上氏の長女が運営する投資会社が今年8月、電子部品商社の黒田電気の株式を大量に取得するなどして注目を集めていた。同紙は、村上氏の強制調査報道を受け、黒田電気の株が急落したと伝えた。