フランスの首都パリで13日夜に起こった同時多発テロで、時事通信によると、フランス当局は実行犯1人の身元を特定した。特定されたのは、パリ郊外生まれのフランス国籍の男、オマル・イスマイル・モステファイ容疑者(29)。最も多くの犠牲者を出したパリ中心部のバタクラン劇場の襲撃に加わった人物で、現場に残された指から身元が判明したという。
時事通信によると、これを受けフランス警察は、モステファイ容疑者の父や兄など親族6人を拘束した。親族がテロと関係があるかどうかは不明。兄はAFP通信に対し、モステファイ容疑者とは絶縁状態だったと話している。
実行犯は7人でいずれも既に死亡している。朝日新聞によると、実行犯は当初8人とされたが、7人に訂正された。全員が自爆装置を組み込んだベストを着用していたという。身元が確定したモステファイ容疑者は、2010年ごろから過激思想に傾倒し始め、トルコへの渡航歴があり、シリアにも数カ月滞在していた可能性があるという。
これまでの報道によると、実行犯は3つのグループに分かれて犯行に及んだとみられている。また、犯行には少なくとも車2台が使われたとみられている。1台はベルギー在住のフランス国籍の男がレンタルしており、ベルギー当局はこの男と一緒にいた2人を拘束した。別の1台はパリ郊外で発見され、車内からは複数のカラシニコフ自動小銃が見つかったという。