全米から集まったカトリックの学生数百人が9日、ワシントンDCで議員らと面会し、気候変動、移民改革、中央アメリカ地域の人権問題について教皇フランシスコと連帯するよう求めた。
25の州とカナダ、エルサルバドル、メキシコにある90のカトリック系団体から集まった参加者は、そのほとんどが大学生や高校生で、今週末、毎年行われる「イグナチオ・ファミリー社会正義のための討論集会」のために集まった。
9日朝、「イグナチオ連帯ネットワーク」はこの週末の集会の最後に、今年最大規模のカトリックの集会となる連邦議会議事堂付近での啓発デーを主催した。
参加者はまず初めに、議事堂の西側芝生に集まり、9月24日に教皇フランシスコが議会演説で触れた米国の社会的、道徳的課題について行動するよう議員に呼び掛けた。
集会の後、参加した学生は、議員と米国の中央アメリカ、移民、刑事裁判、気候変動についての政策への個人的な懸念について論じる機会を持った。
「教皇フランシスコは、たった6週間前にここに来られ、すぐ上のバルコニーにいらっしゃいました。そしてこの場に集まった人々に語り掛け、この国をよくするために行動するよう励ましました」と、主催団体の常任理事シモーネ・キャンベル修道女は学生に語り掛けた。「正義を通じた信仰がこの地を、人々を、政治をよくするのです。ですから皆さんはこの時を、橋を架け、この国を変え、人々に希望を与えるために用いてください」
議員の約4分の1が参加者と懸念について論じる機会を持った。学生たちは共和党優勢の上院議員に、気候変動についての教皇フランシスコの回勅「ラウダート・シ」を支持するよう呼び掛けた。さらに、「ラウダート・シ」の視点から環境問題を扱い、クリーン・エネルギーを採用するよう求めた。
「カトリック信仰の面を除けば、『ラウダート・シ』は道徳についての文書です。道徳には誰もが同意しますから、これは党派を超えたものです」と、ミズーリ州セントルイスにあるセントルイス大学の学生トム・シュルテさんは述べた。「私たちがお会いしたのは、皆共和党員です。ですからほとんどの方、特にミズーリ州の方は、経済活動が枯渇性資源をもとに行われていることから、クリーン・エネルギーをあまり推進しないそうです。私はこのことについて議員の方の答えを聞き、どこの選挙区からの選出なのかを聞けてとてもうれしいですし、議員の方も私たちのものの見方を知り、認識することができたので良かったです」
なお、学生たちは緑の気候基金(the Green Climate Fund, GCF)への資金援助を求めてロビー活動を行い、11月30日から12月11日に開催される2015年度の国連気候変動枠組条約締約国会議に向けて包括的な取り組みをするよう求めた。