11月30日から12月11日まで、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)がパリで開かれるのを前に、フランスの教会は気候変動問題への取り組みを呼び掛けている。
フランス・カトリック司教協議会は公式サイトで、6月に教皇フランシスコによる環境問題についての回勅「ラウダート・シ」が出されたのを受けて、気候変動問題へのアプローチに賛同を表明している。
また、COP21に備え、フランスのカトリック教会は被造世界を守ることをキリスト教徒たちに呼び掛けている。「より環境に優しい生き方を取り入れた幸福な謹厳さへの回心の道」へと招き、「この新しい道において、カトリック教会は未来への希望を提示するものである」としている。
一方、世界教会協議会(WCC)が7日に公式サイトで伝えたところによると、フランス・キリスト教会協議会(CECEF)はCOP21に関する声明で、「キリスト教徒としての私たちの希望は、私たちの世界が消えてしまう運命にあるのではなく、変えられていくこと、そして自己破壊をすることができる人間は、団結して良いことを選ぶこともできるのだという私たちの信念にある」などと述べている。
この文書は9月29日にパリで行われたCECEFの3人の共同議長であるフランソワ・クラヴァイロリ牧師、エマニュエル府主教、ゲオルギオス・ポンティエル大司教との記者会見で発表されたもの。同共同議長らはこの宣言文が「キリスト教徒の兄弟姉妹たち、善意ある全ての人々、そしてCOP21に集まる指導者たちに」向けられたものだと強調した。
WCCの被造世界への配慮と気候に関する正義プログラム担当幹部のグイレルモ・ケルバー博士は、COP21開催の受け入れ役となることで、フランスの教会は今年、気候変動問題に集中的に取り組むことになったという。
ケルバー博士は、「CECEFの声明文は、フランスのカトリック、プロテスタント、そして正教徒による行動や省察の上に成り立っているもので、公正で野心的かつ拘束力ある条約が12月、パリでのCOP21で採択されるようにという強い要求を表明している」と述べた。
フランスの教会によるこの宣言文は、気候変動が人間によって引き起こされていることを認めるとともに、「私たちの中で最も弱くて最も貧しい人たちのことを、私たちはとりわけ憂慮している」と述べ、気候変動による影響がますます強まっている地域に住んでいる、最も脆弱な集団に対する憂慮を示している。
CECEFの呼び掛けは、気候変動問題への取り組みに向けた、諸教会とエキュメニカル団体の幅広い動員にこだましている。「このような行動が、気候変動を止めるのに十分なものとなることを望む」と、WCCは述べている。