英国出身の冒険家ベア・グリルス(41)は、ひざまずき祈ることから一日を始め、自身にとっていかにキリスト教信仰が必要なものであるかを語った。また同性愛者の結婚に「問題はない」との意向を示し、組織化された宗教に対して曖昧(あいまい)な態度を取っている。
ベア・グリルスは、英陸軍特殊部隊SASの元兵士であり、「サバイバルゲーム」(原題:Man vs Wild)や「生まれながらのサバイバー」(原題:Born Survivor)などのサバイバルをテーマにしたテレビ番組で名が知られる。来年放送予定の新シリーズ「ベア・グリルスのサバイバルスクール」(Bear Grylls' Survival School)を収録中であるとのこと。また、バラク・オバマ米大統領と共演した番組が収録済みで、内容はアラスカの荒野で生き延びるサバイバルテクニックを大統領に伝授するというもの。今年後半に放送予定となっている。
莫大(ばくだい)な出演料があるものの、お金はサバイバル・チャレンジをする上での動機にはならず、代わりに家族や健康、信仰の助けとなることを求めていると、グリルスはラジオ・タイムズに語った。
「自分の人生で学んだことは、私は本当に信仰が必要であり、私自身の力だけでは十分ではないということです。私は毎朝、『主イエス様、私はあまり上手くできず、今日のことに緊張しています。あなたに私の全てをお任せします。だからどうか助けてくれませんか?』とひざまずいて言い、一日を始めることを心掛けています。これ以上複雑な祈りにはなりません。私は多分、ちゃんと教会に行っていませんが、でも私の信仰は静かで、人生の大きなバックボーンとなり、家族を結び付けるものとなっています」
彼は、信仰のことを公にする勇気が出るまで時間がかかったこと、またそのことで英国の視聴者に変人だとレッテルを貼られるかもしれないと思うと打ち明けた。彼は、同性結婚に対しては全く問題がないという立場を取っており、個人的な信仰と宗教の教義を区別している。
彼は「私は本当に宗教と格闘しています。なぜなら、宗教は多くの対立と不和の原因であるからです」と語る。「キリスト教の核心とは、こんな感じでしょう。『私は助けを必要としています。あなたは私のそばに来てくれますか?』。私は、これは誰でも受け入れられるものだと思います。皆が要らないのは(組織化された)宗教なのです。そして私も全くそのような考えです」
彼は、自らスタント(離れ業)を行い、野生動物や環境の素晴らしさをたたえる冒険や自然史のテレビ番組の新ブランドを開拓したいと述べた。「もしテレビ番組の内容が自然史だけであるなら、少し味気ないかもしれません。(デイビット・)アッテンボローさん(89=英国の動物・植物学者でドキュメンタリーなどを手掛ける)が25歳の頃は、全てが新しいものでしたから、全然味気なくはなかったのですが、今、若い人たちのために、インスパイアを与えるためにはあのような冒険も必要だと私は考えています」
彼はまた、今は12歳になる息子ジェシー君が救命ボートの訓練の一環として岩石露頭(ろとう)に立つ写真をインターネット上に載せたことで、複数の批判の対象となったが、後悔はしていない。
「RNLI(Royal National Lifeboat Institution=王立救命艇協会)が、その訓練をするようにと私に依頼してきたのです。RNLIの方々は写真を撮り、とても気に入ってくれました」とグリルスは述べた。