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米カリフォルニア州のメガチャーチ、サドルバック教会から、今年も5人のゴスペルシンガーが来日した。今年で3度目となる来日ツアーでは、長崎、東京、札幌の3カ所でワークショップとコンサートを行った。東京では、練馬区の聖書キリスト教会を会場に、9月22日から23日午前にかけてワークショップが行われ、23日夕方にはコンサートが行われた。コンサートでは、サドルバック・ゴスペルシンガーズのほか、2日間みっちり練習した「ワークショップクワイア」とともに、このワークショップとコンサートの主催者であり、同教会を拠点に活動する「江古田ゴスペルクワイア」も加わり、迫力ある魂のこもったゴスペルを歌った。
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両クワイアの参加者はともに、クリスチャンではない人が多くいるが、サドルバック・シンガーズの5人はこの2日間、彼らのために祈り、熱心に御言葉を語り続けた。歌ったゴスペルはほとんどが英語だったが、ワークショップでは日本語訳も確認し、コンサート中もスクリーンには日本語訳が映し出されていた。
今回来日したシンガーズのワーシップリーダー兼ボーカルディレクターのアルバ・コープランドさんは、コンサートで1曲目を歌い終えると、今回のワークショップやコンサートの企画と準備に当たったスタッフに感謝を述べた。「私たちには、決して問題がないわけではありません。しかし、どんな問題も乗り越えられるのは、神様がいつもいてくださるから。神様に不可能なことは一つもありません」と力強く語った。また、来日の度に多くの人々と友達になることができ、来るたびに再会が楽しみだという。「私は、日本に神様がいるのを来る度に感じます。そして、神様がこの国にどんな祝福をもたらしてくれるのかを見に来ています」と語った。
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会場となった聖書キリスト教会は閑静な住宅街にある。この日のコンサートでは、住宅環境を考え、ドラムの音を抑え、ベースとピアノで演奏。コープランドさんは、「ドラムが控えめでも、私たちには手がありますよね。手でドラムの代わりにリズムを取りましょう。神様は何でも最終的に益としてくださいます。手を打ちながら、皆さんどうぞ踊って楽しんでください。私たちの声と拍手をもって、神様を大胆にたたえましょう」と会場を励ました。
日米の架橋となって、初回からシンガーズの一員として来日しているマリ・パクストンさんは、名古屋市出身。米国人の夫と結婚し、現在はカリフォルニア州に住んでいる。
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「皆さんと共に、こうして賛美をしたり、祈ったりすることができて、本当に感謝です。私は4年前に母を天国へ送りました。肉親を失うことがこんなにつらいことだとは、その時まで思いませんでした。母は私を支える岩であり、私の全てだったように思います。しかし、そんなつらく、悲しい時も神様の慰め、励ましを周りの人たちの言葉からも感じました」と証しをした。
コンサート中、日本語のプレイズ(賛美)をシンガーズが披露すると、会場からは大きな拍手が起こった。来日してから過呼吸などの症状が出て、体調を崩していたというティニーカ・ワイアットさんも祈りの後、回復し、この日は力強い歌声を披露。人々の心の奥底まで響くようなその歌声に、涙を流しながら聞き入る参加者の姿もあった。「いつも私は、友人や周りの人のために祈ってきました。体調が悪かったり、何か壁に当たっていたりする人を見ると、『一緒に祈りましょう』と言ってきました。しかし今度は、私が祈ってもらうことになりました。みんなが熱心に祈ってくれました。すると、見てください! 今日、このように元気に皆さんの前に立つことができました」と笑顔で話した。
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終わりには、鳴り止まないアンコールにシンガーズが応え、会場もさらに盛り上がりを見せた。最後にコープランドさんが、「ここにいる皆さんが、私たちの特別な友達であり、家族です。また、必ず日本に戻ってきます」と約束し、コンサートは終了。終わっても会場に残り、シンガーズと記念写真を撮ったり、談笑したりする参加者も多くいた。
ツアーを終えて、パクストンさんは、「今回で3度目の日本。以前も訪れたことのある東京と長崎では、『1年ずっと、CDを聞いて待っていました』と言う人たちがたくさんいらっしゃいました。また、『サドルバックのワークショップの後、どうしてゴスペルを歌うと心が喜びに満ち溢れるのか、今回本当に分かりました! 教会に行ってみます』と言う、ノンクリスチャンの多くの方たちに涙。ここへ来る大きな理由を感じたツアーでした。主が備えてくださっていた全てのことに感謝です」とコメントを寄せた。