参議院で大詰めを迎えた安保関連法案の審議をめぐる与野党の攻防が続く一方で、降りしきる雨の中、16日には夕方から深夜にわたって同法案に対する抗議行動が国会前などで行われた。それに先立って同日昼から行われた座り込みには、主催者発表で約3万5000人が参加した。こうした抗議行動の参加者の中には、クリスチャンの姿もあった。
同日夜の国会正門前付近での抗議行動では、平和を実現するキリスト者ネット(キリスト者平和ネット)や、カトリック大阪大司教区社会活動センター(シナピス)などのキリスト教団体や、青山学院大学、立教大学などのキリスト教主義大学の有志らも旗を掲げた。
このうち、「戦争反対!剣を取る者はみな剣で滅びる イエス・キリスト」と書かれた青い旗を掲げていた「Mission エパタ」のキリスト教伝道者、高村昌昭さん(45)=神奈川県在住=は、「伝道だけじゃなくて、こういう社会的なことも含めて伝えていく必要がある」と話した。
「自民党がやっていることは明らかに道徳的におかしい」と言う高村さんは、「キリスト教的に言えば、罪とかそういう問題で、自分の道徳観とか善悪の基準とかそういうことがはっきりしてないと、いくらでもこういう悪いことばかりしてしまう」と語った。
また、「考えれば、何が正しいか悪いかって分かりそうなものですけど、そういうことよりもカネもうけ、自分中心というか、自分のカネさえもうかればそれでいいという考え方があるわけだから、『今だけ、カネだけ、自分だけ』のような感じで、そういう生き方をやはり一人一人がやめない限り変わらないのではないかと思います」と語った。
報道によると、国会前では17日も朝から同法案に反対する人々が抗議行動を行っている。