エイズの蔓延を防止し、エイズ患者やHIV感染者に対する差別、偏見を解消するため、世界保健機関(WHO)が定めた「世界エイズデー」を今月1日に迎え、エイズ防止などを呼びかけるイベントが世界各地で開催された。この中で、ノーベル平和賞受賞者であるデズモンド・ツツ元ケープタウン大主教は、世界は現在、エイズの被害に対して安心したり、無関心であったりすことが出来ない時であることを訴えた。
ツツ氏は、「今日、依然として、(HIV)感染者の70パーセントが救命のための治療を受けることが出来ない」と指摘し、「今は、憐れむ心を持った指導者らが、声が出さない人々が、最も苦しんでいる場合があることを知るときだ」「指導者らが彼らの叫び声を聞かずに、誰がこの問題に取り組めるのか」と訴えた。
国連によると、HIV感染者は昨年の発表では3900万人であったが、統計の精度が上がったことなどを理由に、現在は3300万人以上となっている。感染者はサハラ以南のアフリカ諸国に集中し、今年の死者数は子ども33万人を含む200万人以上とされている。