核兵器の非合法化の賛否という歴史的選択を今行っている7カ国の教会指導者たちが、8月初旬から、70年前の原爆で多く死者を出した広島と長崎への巡礼を始める。世界教会協議会(WCC)が27日に公式サイトで伝えた。
米国、ドイツ、日本、韓国、ノルウェー、オランダ、パキスタンのWCC加盟教会を代表する教会指導者たちは、1945年8月6日と9日の原爆投下を覚え、広島と長崎の両市を訪問する。
WCCの代表団は、日本で被爆者や教会員、宗教指導者、政府関係者と会見する。代表団は、両市から行動のための国際的な呼び掛けを持ち帰ることになる。鍵となる一歩は、自国の政府に対し、「法的な隙間を埋める」とともに核兵器の公式な禁止を確立する、新しい政府間の誓約に加わるよう強く求めることである。この人道的構想は既に113カ国の支持を得ている。
WCC中央委員会の副議長である米合同メソジスト教会のメアリー・アン・スウェンソン監督が同代表団を率いる。
「私たちは、広島と長崎で原爆の恐ろしさを記憶するとともに、『核兵器がいかなる状況の下でも二度と使われないということは、人類の存亡そのものという利益にかなう』と国連総会でこれまでになく大きくなった多数派が今日述べていることを肯定する」と、スウェンソン監督は言う。
「正義と平和のWCCの巡礼におけるこの発着所はとても重要なものだ」とスウェンソン監督。「70年前に最も致命的な兵器によって破滅させられた場所に私たちが集まるに当たって、私たちは40カ国の政府がいまだに核兵器に依存していることを意識している。9カ国が核軍備を保有し、他の31カ国は自国に代わって米国に核兵器を使わせることをいとわない」と語った。
核兵器が今ニュースとなるのは、イランとの交渉やウクライナの危機における脅威的な誇張のためであると、スウェンソン監督は説明する。「次の脅威がどこで爆発し得るのか、あるいは脅威がいつ現実の破壊となり得るのか、私たちには分からない」
そして、スウェンソン監督は、「この巡礼をするに当たって、世界中のクリスチャンが祈りのうちに私たちに加わってくださるようお願いしたい」と求めた。
日本や他の6つの核依存国へのミッションは、WCCの「正義と平和の巡礼」の一部である。
スウェンソン監督に加えて、代表団のメンバーは、WCCアジア議長で韓国基督教長老会総会の張裳(チャン・サン)牧師、ドイツ福音主義教会連盟のハインリヒ・ベドフォードストローム総裁監督、在日大韓基督教会の許伯基(ホ・ベッキ)牧師、そして部分参加では日本聖公会のナタナエル植松誠首座主教、ノルウェー国教会(ルーテル派)のトル・ヨルゲンセン監督、オランダ・プロテスタント教会のカレン・ファン・デン・ブロエケ牧師、パキスタン教会のサミュエル・アザリア主教、米合同メソジスト教会のエキュメニカル担当者でWCC国際問題教会委員会(CCIA)の委員であるスティーブン・シドラック牧師となっている。さらに、CCIA局長のピーター・プローブ氏と、WCCコンサルタントのジョナサン・フレリックス氏も加わる。
なお、WCCが6月26日にこの巡礼について発表した際に含まれていたカナダの教会代表は、27日のこの発表では代表団に含まれていない。