米最大の無神論団体が法的手段を示唆し、警察署に掲揚されていたクリスチャン・フラッグを撤去させたことを受け18日、米南部のアラバマ州で信教の自由を訴える集会が開催され、500人以上が参加した。
同州グレンコー市のチャールズ・ジルクライスト市長は、同市がウィスコンシン州に拠点を置く無神論団体「宗教からの自由財団」(FFRF)から抗議の手紙を受け取ったことを受け、同市の警察署からキリスト教を象徴する旗であるクリスチャン・フラッグを撤去する以外の選択肢はなかったと述べた。
「彼らは私たちを破滅させようとしたのです。それが彼らの手口で、自分の手で自分の街を守り切れない小さい街を標的にするのです」と、ジルクライスト市長はアラバマ州のテレビ局「WBRC Fox 6」に語り、6月に旗の撤去を決断したのは、長期にわたる訴訟のコストを避けるためだと述べた。
集会の開催を支援した団体「ファースト・レスポンダーズ・フォー・クライスト」の創立者で同州エトワ郡支部代表のサミュエル・ロウ氏は20日、取材に対し旗を撤去させたのは「罪」だと語った。
ロウ氏は、「旗の撤去をめぐる争いは、表面的には架空の政教分離をめぐる争いです。しかし旗が撤去された本当の理由は、人の心にある罪の故に起きた、神と人とを隔てる壁です」と述べた。
FFRFの憲法関係コンサルタントであるアンドリュー・セイデル氏は2月、1990年代から同市の警察署に掲揚されているクリスチャン・フラッグについて苦情の手紙を送った。
「市有財産に明らかな宗教的シンボルを展示することは、当局がキリスト教を推奨することを意味します」とセイデル氏。「連邦裁判所の多くの判決では、公有財産にラテン十字架(一般的な十字架)を展示することは違憲な宗教の推奨であるとしています」と主張していた。
旗を撤去するという市長の決断について、ロウ氏は「私は訴訟を行うよりは旗を撤去した方がいいと判断した市の経済的事情を理解していますし、市長の決断について何の疑念もありません」と述べた。
「旗が再び掲揚されるとは思っていませんが、アブラハム、イサク、ヤコブの神に栄光を帰するのによりふさわしい方法があり、それはFFRFの指摘をものともしないと信じています」とロウ氏は語った。
集会のゲストスピーカーには、同州レインボーシティ市出身で共和党のマック・バトラー州下院議員とフィル・ウィリアムズ州上院議員、北グレンコーバプテスト教会のトム・ハリソン牧師などがいた。
「この国とその法律は、この国の首都にある石に刻まれている通り、ユダヤ・キリスト教文化の原理に基礎を置いており、その歴史は変えようがありません」とロウ氏。「彼らはポールから旗を撤去することはできますが、私たちの国にあるキリスト教的起源を否定することは決してできません」と語った。