オーディオ聖書を制作する非営利法人「フェイス・カムズ・バイ・ヒアリング(信仰は聞くことから)」が、ガムのパッケージ程度の大きさのデジタルオーディオ聖書を累計で50万台以上米軍に寄付した。この端末によって、兵士たちは家族や故郷、教会を離れて配属されている間も福音を学び続けることが可能となる。
兵士のポケットにちょうど入るサイズのこの端末は、「ミリタリー・バイブルスティック」と呼ばれ、新約聖書全編と詩編の一部が搭載されている。防水性で雨天でも使用が可能だ。
端末の公式サイトによると、2008年の発売以来、17日までに53万4517台のバイブルスティックが米軍に寄付されている。
ウィクリフ聖書翻訳協会などの非営利団体などと提携し、40年以上にわたってオーディオ聖書を生産しているフェイス・カムズ・バイ・ヒアリングは、従軍牧師からの要望を受けてこの端末を開発した。バイブルスティックの生産開始後、その大きな需要に応えるのは大変だったという。
「多くの兵士がアフガニスタンやイラクに配属されるとき、従軍牧師が私たちのところに来て、『陸軍に新しく入ってきた、18歳から24歳の兵士たちに届くようなものが必要です。彼らはiPod世代です。助けてもらえませんか』と言うのです」と、フェイス・カムズ・バイ・ヒアリングの米国代表であるトロイ・カール氏は、米CBNニュースのインタビューで語った。
「需要が大きく、実のところ私たちは注文に追い付いていません。今は、現職の従軍牧師から月平均で約1万6千個もの発注がある状況です」
サイズは小さいが、このバイブルスティックを使いこなすようになったとき、兵士たちは持っている武器の中でこれが最強だと気付くとカール氏は言う。
「多くの人は、困難な状況下で神の言葉を聴くことを可能にするこの小さなスティックのような端末があることが、どれだけ力強いかということに気付かないでしょう」とカール氏。「私たちは、従軍牧師たちが、武器庫にある中でこのバイブルスティックが一番価値ある道具だと兵士たちが気付いたと伝えてくれるのを聞いています。これは非常に重要で、とても貴重なことです。私たちはほとんど需要に追いついていません」
この端末は、ビリー・グラハム伝道協会(BGEA)の代表で、慈善団体「サマリタンズ・パース」の代表でもあるフランクリン・グラハム牧師のお墨付きでもある。
グラハム牧師は動画で、「聖書に触れ、聖書を聴くきっかけとなるこのような端末を、兵士たちに与え、故郷を離れ、家族を離れ、教会を離れている彼らを助けるためにできることを何でもするということは、素晴らしい考えです。私は支援します」と述べている。
この端末はまた、元陸軍中将で家族研究協議会の副理事長であり、テロ対策の米陸軍特殊部隊「デルタフォース」創設時のメンバーであるジェリー・ボイキン氏も支持している。
「私は、バイブルスティックのコンセプトは全て神が与えたものだと思っています」とボイキン氏は動画で語った。「バイブルスティックに対する需要は非常に大きく、生産が十分追い付けるとは思えません。必要としている兵士たちに迅速に提供することはできないでしょう」
カール氏は、たった25ドル(約3千円)の寄付で、一人の米軍兵士に1台のバイブルスティックが提供され、その家族にはMP3形式のオーディオ聖書が提供されると紹介している。
「25ドルで、一人の兵士とその家族全員を支援できます。なぜなら、私たちは兵士の妻に、母に、子どもたちに、MP3形式のオーディオ聖書を提供するからです」とカール氏。「私たちの使命は、神の言葉を全ての人に届けることです。その全ての人にはもちろん、私たちの兵士とその愛する人々も入っています」