米テキサス州ダラスで開かれたワシントンDCで建築中の聖書博物館プロジェクトを周知するイベントで、ジョージ・W・ブッシュ元米大統領が、約200人の市民・ビジネスリーダーの前で語った。討論の中で、ブッシュ元大統領は大統領としての日々の生活の中で、聖書がとても重要で不可欠なものであったことを強調した。
「大統領の任期中、私は毎日聖書を読んでいました」と、ホビー・ロビー社の社長で聖書博物館の館長を務めるスティーブ・グリーン氏と共にステージに上がったブッシュ元大統領は語った。
「最も聖書に忠実でいられるのは、危機の中にあるときです。信仰を守るのに最も困難な時期は、全てがうまくいっているときです。信仰は私に原則と決断力を与えましたが、戦術や策略は与えませんでした。力は与えられましたが、私は信仰を決断のためには使いませんでした。自由とは信仰によって与えられた原則です」と、米軍の元最高司令官でもあるブッシュ元大統領は語った。
聖書博物館のCOO(最高執行責任者)であるキャリー・サマーズ氏は、ジョージ・W・ブッシュ博物館で行われたこのイベントは寄付を募るためのものではなく、むしろ「聖書博物館のリーダーが持つビジョンを共有するために集った地域やビジネスにおける影響力のあるリーダーたちの集会」だと言う。
「今年、オクラホマ市で同様のイベントを2つ行い、今後数年間で国内の他の都市でもイベントを行う予定です」とサマーズ氏は話す。
2017年に開館予定の聖書博物館は、推定数億ドルに値するとされる宗教的文化遺産を展示する予定だ。
聖書博物館プロジェクトは、グリーン氏がパピルスやモーセ五書、聖書を含む写本を全世界から集め始めた5年前からの努力の成果だ。2012年、グリーン氏は米国議会に近い43万平方フィート(約4万平方メートル)の建物を5千万ドル(約57億3千万円)で購入した。現在は博物館のコレクションを所蔵するために改築中だ。
ブッシュ元大統領もまた、聖書博物館の開館や、首都に近い立地について考えを語った。「博物館は素晴しいアイデアです。さまざまな信仰を持つ人に来館していただき、また快適に感じていただくことがとても大切です。私たちの首都において重要な役割を果たすでしょう」と語った。
サマーズ氏によると、所在地にワシントンDC南西部のワシントン・デザイン・センターを選んだのは、この国の首都が「世界の博物館の首都」だからという理由が大きいという。
「ワシントンDCは世界級の博物館が集まる街として有名なことから、ニューヨークやダラスなどの他の候補ではなく、ワシントンDCに聖書博物館を建てるのが最善だと博物館チームでの調査から判明しました」とサマーズ氏は説明する。
博物館の概況報告書によると、完成後の聖書博物館は、500以上の聖書や文化遺産を所蔵する地上8階、地下1階の建物であり、聖書の世界を展開した屋上庭園、聖書の歴史や影響力、物語に関する常設展示、図書室、陳列室がある。そしてグリーン家が所蔵するコレクションを、研究する全世界の60の神学校や大学の学生に対して開放する予定だ。
聖書博物館の巡回展示は2011年から全世界で行われている。博物館のウェブサイトによると、2014年には米国内の5つの都市と海外の4カ国で巡回展示が行われる予定だ。