【CJC=東京】教皇フランシスコは5日、南米3カ国への訪問に出発した。今回の訪問で教皇はエクアドル、ボリビア、パラグアイを9日間の日程で訪れる。
教皇は5日午前9時過ぎ(現地時間)、ローマのフィウミチーノ国際空港をアリタリア航空特別機で最初の訪問国エクアドルの首都キトへ向け出発、キト郊外のマリスカル・スクレ国際空港に午後2時45分(現地時間)到着した。同3時10分、特別機から降りた教皇は、折からの風に着用した帽子を飛ばされるという歓迎を受けた。地上ではラファエル・コレア大統領が出迎えた。教皇は「最も弱い人たち、最も傷つきやすい少数派は、中南米全体が今も負っている債務だ」と述べた。
歓迎式典後、教皇は都心部へ向け小型車フィアットに乗り込み、途中で専用車「パパモービル」に乗り換え移動した。沿道では市民数千人が歓迎した。政争の反映か、教皇に向かって「やめろコレア」と叫ぶ声も聞こえた。午後6時前、宿泊先のバチカン(ローマ教皇庁)使節館に到着した。押し掛けて来た信徒たちが「顔を見せて」と叫ぶ歓迎に、教皇は8時40分、外へ出てきて、歓迎に感謝。「アヴェ・マリアの祈り」を共に祈ろうと呼び掛けた。そして最後に「お隣が眠れない」と帰宅を促した。
今回の訪問は、教皇フランシスコにとって9回目の海外司牧訪問(イタリアを除く)。南米訪問としては、着座直後の2013年のブラジル(リオデジャネイロ)に続く2回目。
エクアドル、ボリビア、パラグアイの3カ国にとって、教皇訪問はいずれも今回が2度目。ヨハネ・パウロ2世は1985年にエクアドル、88年にボリビア、パラグアイへ最初の訪問を行っている。
3カ国のカトリック教会も、教皇訪問に際し、「喜びをもって福音を伝えよう」(エクアドル)、「教皇フランシスコと福音の喜びを告げよう」(ボリビア)、「喜びと平和のメッセージ」(パラグアイ)などをそれぞれモットーとして掲げた。